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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜
官能リレー小説 - ファンタジー系

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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜 211

そんな殺風景な場所で500人程の兵士達が、中庭を3つに分けて訓練を行っていた。場所によって、兵の装備も訓練内容もバラバラだった。
1つ目は重装備隊だ。重そうな兜や甲冑を身に付けた巨漢の兵士達が、一心不乱に槍を振っている。装備品を全て合わせれば100sはありそうなものなのだが、兵達は顔色1つ変えずに平然と訓練を続けていた。
二つ目は軽騎兵隊である。重装備兵とは対称的に、こちらは皮鎧と短槍だけの貧弱な装備だった。構成された兵も線の細い男や女といった、戦場ではあまり戦力になりそうにない者ばかりである。
しかし、彼らは速かった。人馬一体と言うべきか、それぞれが馬を見事に乗りこなしており、一糸乱れぬ陣形のまま中庭を走り回っていた。スピードだけなら、ルカジマで戦った強敵リョフの騎馬隊にも勝っている。軽装備のため乱戦には向いてないかもしれないが、その速さ故、一撃離脱の奇襲戦には無類の強さを発揮するだろう。
そして3つ目。どうやらこの部隊が爆音の元のようだ。
だがこの部隊は遠目に見ても分かるほど、他の2部隊に比べ兵の数が極端に少なかった。50人ぐらいだろうか。全員が長い筒のような物の手入れをしていた。
大和達が、しばらくその兵士達の様子を眺めていると、手入れが終わったのだろうか、兵達は横五列に並ぶと、一列目の兵が片膝を地面につけ、持っていた長い棒を顔の前に真っ直ぐに構えた。
「どうやらあそこに置いてある的を狙っているようだな」
アーカートが指差した先には、直径50cm程の丸い板が、兵達と同じ横一列に置かれていた。兵達が棒を構えている場所から、ざっと100mは離れている。
「だが、あんな離れた場所で何をするつもりだ?魔法を唱えている様には見えないし……それにあの長い棒は一体何だ?」
ティナがそう呟いた瞬間、再びあの火薬が弾ける音が鳴り響いた。
中庭中に音が響き渡り大和達が耳を押さえるなか、先程アーカートが指差した丸い板の一部が、バキッと鈍い音をたてながら吹き飛んだ。
「な!?」
その光景に大和は思わず目を見開いた。そしてそれは周りの仲間達も同じだった。魔法や弓のような飛び道具は一切使わず、手も触れずに離れた場所にある物を吹き飛ばした光景にである。
しかし、大和だけは違った。彼はその一部始終に見覚えがあった。
「あれは……鉄砲」
大和が呟くなか、兵士達は列を交代すると、坦々と訓練を続けていた。



「鉄砲は、基本的には弓矢と同じ、長距離の敵等に使用する武器です。火薬による燃焼の力を利用して鉛の弾丸を射出する仕組みになっています」
「鉛の弾丸か。あの威力なら、体など簡単に貫通するだろうな。しかもあのスピードか……」
アーカートが答えると、
「あのくらいのスピードなら楽に避けられるとは思うが、普通の一般兵では無理だろうな」
ティナが鉄砲隊の訓練を見ながら言った。

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