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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜
官能リレー小説 - ファンタジー系

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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜 21

「と、とにかく僕は帰るよ。一応明日の朝、迎えに来るから。………身元保証人だし」
(何で僕が身元保証人なんだろう?レイの方が年上なのに……)
そんなどうでもいいような事を考えていると、
「ねぇ大和君。お姉ちゃん、怒ってた?」
セリスが鉄格子に近づいてきた。その表情は不安の色に包まれている。
「どうかな?さっき会ったときは、知らないみたいだったけど。でもティナさんも、すぐに気付くんじゃないかな?」
それを聞いたセリスが頭を抱え込む。彼女にとって、姉のティナは余程怖い存在らしい。
「じ、じゃあ僕はこれで。また明日ね!」
とりあえずそれだけ言い残すと、そそくさとその場を後にする大和。後ろでジェン達が何か叫んでいるが、全て無視する。
まるで逃げるように地下を立ち去る大和であった。



「あ、大和君!」
部屋に戻るため廊下を歩いていた大和の前に、1人の少女が現れた。アルフレド国の先代国王オウランの娘、ラティアである。
「お久しぶりですね。ラティアさん」
大和が一礼する。
「もう、ラティアでいいってば。何回言わせるのかな?」
ラティアが頬を膨らませながら言った。
「そ、そう言われても………」
困惑する大和。いくら呼び捨てにしてもいいと言われても、相手はお姫様である。そう簡単にできる事ではない。
「まぁ、いいわ。ところで大和君。さっき聞いたんだけど、同級生と旅に出るんだって?」
ラティアが澄んだ目を大和に向けながら言った。思わずドキッとする大和。
「は、はい。ゴートまで……」
「ふーん。じゃあ、しばらく会えなくなっちゃうんだね。………大和君、今夜私の部屋に来ない?」
ラティアが顔を赤らめながら、特に後半の部分を小声で言った。
「………………えっ?」
思わず聞き返してしまう大和。ラティアの顔の赤みがさらに濃くなる。
「えっ?じゃないわよ。………だ、だから!今夜は暇かって聞いてるのよ!」
何故か怒鳴るラティア。表情も怒っているのだが、頬を赤らめながら怒っている顔も可愛い。
(暇かって………そりゃ明日の旅の準備があるし、忙しいと言えば忙しいんだけど…)
真剣に考え込む大和。彼が考える間、腰にさしてある魔法剣状態のガルドは何も意見を言わないが、大和がどちらを選ぶのか、既に分かっているようである。
「うん、いいよ」笑顔で言った。
こんな美少女に誘われて断る男がいるのならば、それは世帯持ちか恋人持ち、同性愛者のどれかである。
一方、ラティアの方も大和の返事を聞いたとたん、表情がパッと明るくなった。
「本当に!やったあ!」
その場で小躍りするラティア。
「じゃあ、今夜。私の部屋で待ってるね!」
満面の笑顔で手を振りながらその場を去っていくラティア。その表情を見ているだけで心が穏やかになっていく大和であった。



「あ、王。お帰りなさいませ」

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