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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜
官能リレー小説 - ファンタジー系

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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜 20

感情の欠落したそれなりに整った顔。笑えばそれなりに可愛い少女に思える。
しかし、大和は三ヶ月前に初めてノネムと会ってから今日に至るまで、彼女の笑顔を見たことなど一回も無かったのである。それどころか声も聞いたことがない。
一応喋れることは喋れるらしい。2日に1回ぐらいしか喋らないらしいが。
(笑えば美少女なんだけどなぁ……)
心のなかでしみじみと思う大和であった。
やがて、シドウとノネムがアーカートの部屋から出てきた。部屋の中をソッと覗くと、机の上にたくさんの書類が山積みされている。
「そういえば大和君。あなたに伝言があったことを忘れてましたよ」
部屋から出てきたシドウが、胸ポケットの中から一枚の四角いメモを取り出した。
「何ですか、これは?」
メモを受け取り、中身を確認する前にシドウに聞いてみる。
「すぐにでもその場所に来てください、だそうです。何でも、あなたはそこに書いてある人達の身元保証人だそうですから」
大和がメモを黙読する。そこには、場所と数人の名前が書かれていた。



メモに書かれていた場所とはメリツ修道院の地下牢だった。
シドウ、ノネムと別れ、途中エドウィン、サリナと別れた大和は腰にガルドをさしながら地下牢にやってきたのである。
薄暗い地下牢についた大和はそこにいた看守に案内され、1つの牢屋に案内された。そこにいたのは……
「あ、王様!迎えに来てくれたの?」
「え!身元保証人って大和君の事だったの?やったー!」
ジェンとモルティラニアが鉄格子の隙間から手を振っていた。さらに奥にはカスミ、セリス、シホもいる。
ちなみに彼女達の横の牢屋では、食堂で女性陣を相手に大暴れした男性が、牢屋の隅っこでションボリしていた。
「ねぇ王様、早く出してよ。保証人が来たらすぐに釈放してくれるんじゃないの?」
鉄格子をガチャガチャと鳴らしながら満面の笑顔を見せるジェンを見ていると、不意に大和はなんだか申し訳無い気持ちになっていった。
(………すみません。虚空さんにティナさん……それから、会ったことないけどジェンにモルティラニアにシホの御両親さんも。僕がちゃんと見てなかったために、彼女達は前科者になってしまいました…)
そんな事を考えながら、大和は憮然とした表情で言った。
「残念だけど、それは出来ないんだよ。事務所の人の話によると、今日は牢屋の中でじっくり反省しなさいだってさ。明日の朝に釈放らしいよ。僕はそれを伝えに来たんだよ」
大和がそう言った瞬間、
「えー。じゃあ、今日はここで夜を過ごすの?絶対やだよ!何とかしてよ大和君!」
モルティラニアが手を合わせながら懇願してきた。
「僕に言わないでよ。事務所の人に頼んでみたら?」
「じゃあ大和君もここで一緒に過ごすのは?」
「絶対やだ」
即答する大和。

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