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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜
官能リレー小説 - ファンタジー系

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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜 200

「いえ、何もありません。では、失礼させていただく」
レグナスは部屋を出る直前、最後にもう一度セトを一瞥し、ゆっくりと退室していった。
部屋に残ったのは、独眼竜ヴェインと窓の外を眺めるセトの2人だけとなった。
「面白いと思わないか、セト?」
レグナスが退室したのを確認すると、ヴェインは早速顔を上げ、部屋にいたもう1人の人物に話しかけた。
「この少年、橘 大和……」
ヴェインが見ていた紙の中身は、大和に関する情報や経歴が書かれた調査書だった。大和がこれまでにやってきた行動や結果などが、事細かく記されている。
「もっとも古い記録で約半年前カルトと言う町で目撃された記録がある。女と2人で宿に宿泊したそうだ。女の名前はレイ。現在、橘 大和の子を妊娠している。この女の調査書はどうでもいいが、本題はここからだ」
ヴェインはここで一息入れた。話を盛り上げる為の演出の1つなのだが、話す相手がセトでは何の意味も無かった。
セトは黙って窓の外を眺めていた。
「これ以前、つまり橘 大和の記録がこの時間帯を境に、どこにも残されていない。記録も記憶もだ。妙だと思わないか?」
すると、
「ヴェイン。その話し方から推測すると、あなたは既にその答えを知っていると思える」
セトがようやく反応した。ガラスのような瞳でヴェインを見つめ、抑揚の無い声で話し始めた。「おそらく、騎士王剣ジャスティスも同じ意見」
「ふふふ……」
その時だった。ヴェインでもセトでもない、別の声が部屋中に響き渡った。
その笑い声と同時に、ヴェインが腰掛けている椅子の近くに立て掛けられていた一振りの剣が、眩いばかりの光を帯び始めた。光は輝きを増していき、それに比例するかのように、剣の形も徐々に変化していく。
そして、光が消えた時、剣が置いてあった場所には、1人の美女が妖艶な笑みを浮かべて立っていた。
大人の成熟したフェロモンを全身から出している。髪は金髪。しっとりと艶めき、身につけた肩当てへ穏やかに流れ腰まで伸びている。胸元は豊かに、引き締まった腰はたおやかに。
少女体型のセトとは正反対の体つきである。
「クスッ、ずいぶんと面白い子ね。あなたが興味を抱くのも、分かる気がするわ」
白銀の胸当てと肩当て、そしてVフロントと呼ばれる過激なショーツしか身に付けていない女はそう呟きながら、椅子に座ったままのヴェインに背後から腕を巻き付けた。
「だけど、所詮周囲の人間によるただの操り人形。あなたが策を考えなくても、勝手に自滅するんじゃないかしら?」
ジャスティスが、大和に対する率直な意見を言うと、
「フッ、彼を過小評価してはいけないよ。ジャスティス」
ヴェインは首を横に振りながら、再び報告書に見入った。

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