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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜
官能リレー小説 - ファンタジー系

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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜 198

彼女は、そのまま目を閉じると、
「私達をサンクキングダムに呼び寄せたのは、あの男、第一王子の独眼竜ヴェインに間違いない。しかし、一体なぜ奴は我らをここに招待したのだ?サンクキングダムは本気でルカジマと同盟を結ぶ気なのか?これは、軍部が猛反発することは目に見えている。それでも我らと手を結ぶのか?それとも、他に理由が……」
などとぶつぶつ呟きながら、自分の考えを纏め始めた。そして、
「仮にルカジマとサンクキングダムが同盟を結んだとすると、次はどうなる?」
と、言った。
アーカートはしばし考えると、おもむろに口を開いた。
「今のルカジマはメリツ修道院に半ば居候してる身だ。領地を持たない流浪の軍が、大国サンクキングダムと対等な同盟を結べるとは思えないが………もし仮に同盟を結んだとしても、ルカジマはサンクキングダムから、ただ都合の良い小間使いとして使われるだけの存在に成り果てる危険もあるな。下手をすれば、従属扱いされるかもしれん。……しかし!」
その時、アーカートの瞳がキラリと光った。
「私はな、ティナ。この機会を逆に利用して、ルカジマをサンクキングダムに従属させようか、とも思っているのだ」
その場にいた全員が、驚きの表情でアーカートを見た。
「いま何て言った!」
「分からないか?臣下の礼をとり、ルカジマをサンクキングダムの麾下に迎え入れてもらうのも1つの手だ、と言ったのだが」
「アーカート!貴様、頭が狂ったか!」
立ち上がったティナは、アーカートの目前で剣の柄に手をかけながら、泣く子も黙る鬼のような形相で怒鳴った。
他の者達は、この緊迫した状況に気が気でなかった。ただその中でも、大和とカルラだけは、アーカートの腹の中を探ろうとジッと見据えていた。
「アーカート。真意を聞かせろ。何故従属する必要がある?」
カルラが言った。頬杖をついているが、目は真剣そのものだった。
アーカートは、冷静なカルラと怒り浸透のティナ、そして先程からジッとこちらを見据えている大和、と順番に視線を移動しながら口を開いた。
「ティナ。今の状況では、同盟だろうが家臣だろうが、さしたる違いはないのではないのか?」
「……どういう意味だ?」
「今の我らは、領地を持たない流民に等しい。それなのに、そんな状況で魔王軍に奪われたルカジマを奪還することなど不可能に等しい。笑止千万だ」
いつの間にか、ティナは剣の柄から手を離していた。
「だが、いつまでも従属するわけではない。ようはサンクキングダムという巨大な力を利用すればいいのだ」

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