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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜
官能リレー小説 - ファンタジー系

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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜 197

「……話を進めよう。さて、大和君。質問だが、アルフレドが崩壊し、その影響で一番の貧乏くじを引いたのは、どこだか分かるかな?」
「それは……」
答えは1つしかない。数百年の間、曲がりなりにも、アルフレドと同盟を結んできた国。すなわち、
「サンクキングダムだと思います」
「正解だ。では次の質問だが、アルフレド崩壊後、サンクキングダム領内で頻発した反乱は、未遂も含めて何件だと思う?」
大和が考える。そして、
「10件ぐらいですか?」
と、適当に答えた。
ところが、
「正解は未遂も含めて計124件だ。もっとも、これは公表されている数だけだから、一般的には知られず秘密裏に処理されたケースも合わせると、おそらく200件は軽く上回るだろうな」
アーカートの答えに、大和は絶句した。そして同時に、サンクキングダムの兵達が自分達を恨む理由が、おぼろ気だが分かったような気がした。
(彼らは、アルフレドが崩壊しなければ、そんな反乱は起こらなかったはずだと確信しているんだ……)
反乱が起きれば、当然国は討伐軍を差し向ける。そして戦が起こり、少なからず誰かが死ぬ。
死ぬのは、大抵の場合雑兵達である。そして、戦いのなかで死んでいった兵士達にも、当然仲間や家族がいる。
そして、無事生き残った兵士達にしてみたら、同じ釜の飯を食ってきた仲間達の死んだ原因の元が、同盟国の権力による内部争いにあると考えたら、無性にやりきれない思いになるのだろう。
もちろん、一番の悪はクーデターを起こした張本人のデュランである。しかし、彼らの中では恨みの対象はデュランではなくアルフレドとなっているのだ。
そして、ルカジマは昔アルフレドの首都でもあった街だ。ティナを始め、魔法学校の卒業生達もその多くがアルフレド王国に仕えていた。
もちろん、ルカジマは直接クーデターとは何ら関わっていない(むしろ魔王軍に攻められたのだから、どちらかと言えば被害者の立場である)のだが、サンクキングダム兵の中では、アルフレドと密接な関係があるということで、憎しみの対象となっているのである。
「そこまで兵達の間で憎まれている我々が、一体何故ここに招待されたのか。問題はそこだ」
アーカートが首を捻りながら言った。
「ヴェインさんは、何も言わなかったんですか?僕らをここに呼んだのは、あの人ですよね」
大和がそう言うと、
「全然。会談の最中も一言も口を開かなかったしな。ずっと何かを考えていたような気がする」
ティナが両手を頭の後ろに回し、背中を大きく伸ばしながら言った。

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