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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜
官能リレー小説 - ファンタジー系

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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜 196

「誰も君がやっていたとは言ってないだろう」
「当然だ。私が将軍に在任していた時に、賄賂が発生したことなどは一度たりとも存在しない。もし、過去にそんな奴がいたのならば、即刻裁判にかけていたはずだ」
毅然とした態度でティナは言った。
「まぁ、ともかくだ。アルフレドとサンクキングダムの同盟は、友好などという言葉は無いに等しい、利害関係のみを追求されたものだった。だが、それでも民にとっては喜ばしいものだった。魔王ハデス率いる魔族と、シヴァ率いる新人類が睨み合っていた時代に、せめて人間同士の争いはやめよう、という理由から手を結んだのだからな。そして、その結果、アルフレド・サンクキングダム連合軍、魔王軍、四天王軍の三つ巴のまま数百年の時が流れた。しかし、三年前……」
アルフレドの三大将軍の筆頭だった男、大将軍デュランが当時国王だったカイルに対して前代未聞のクーデターを起こし、アルフレドは崩壊した。大国の呆気ない最後であった。
その後、国王カイルは行方不明。彼に付き従った配下達も生死が定かではない者も少なくない。ティナが命からがらルカジマに落ち延びれたのは、奇跡としか言いようがなかったのである。
「……私もあの時は生き延びるために無我夢中だったからな。気が付いたら、生まれ故郷のルカジマを目指していた」
ティナはそう穏やかに語っていたが、彼女の目の奥はデュランに対する怒りの炎で燃え上がっていた。
「それにしてもデュランめ。三大将軍の筆頭でありながら、大恩あるカイル公を裏切り、あろうことか魔王軍などに祖国を売り渡すとは。………見ていろ。次に相まみえた時は、必ず奴の首を、死んでいった同士達の墓前に捧げてみせる」
ティナはそう心に誓うのだった。
そんなティナの様子を見ながら、アーカートは言った。
「君の気持ちは分かるが、無茶はしないでくれ。今の我々では、到底歯が立たない相手なのだから」
「そんな事は分かってる。………分かってるさ」
そう言いながらも、ティナは悔しさに思わず表情を歪めた。

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