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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜
官能リレー小説 - ファンタジー系

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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜 195

「ああ、そりゃあな……」
カルラが口を開いた時、アーカートがそれを手で制した。
「それは私が話そう。……大和君。君は、サンクキングダムの最高機関、元老院について知ってるかな?」
「ええ、一通りの事は」
と言っても、さっきカスミに訊いていなければ、分からなかった事なのだが。
「ほう。なら、元老院のそのほとんどが、親アルフレド派ということは?」
「知ってます」
それも、さっき聞いたばかりである。
「ふむ。なら……」
アーカートは目を閉じると自分の額に手をやり、何かを考えるような仕草をした。どうやら、これが彼の考え事をする時の癖らしい。目を閉じたまま、ジッと何かを考えていた。
その数秒後、
「なら………」
不意に、アーカートの目が開いた。
「サンクキングダムの軍部連中が、現在魔王軍が占領しているアルフレド国の領土に対し、元老院の反対を押しきってでも侵攻しようとしている事は知っているか?」
大和の表情が驚愕の色に包まれた。大和だけではない。部屋の中にいたティナとベッドで寝ているセリスとナタリー以外の全員が、何らかの反応を示していた。あのカルラでさえも、表情に若干の驚きを混ぜながら、アーカートの話を黙って聞いていた。
「本当ですか?」
「ああ、間違いない」
答えたのはティナだった。彼女が驚かなかったのは、事前に聞いていたからだろう。
「驚くのも無理はない。私も、会談中に聞かされた時は、次の言葉が出なかったからな」
アーカートは頭を掻きむしった。
「なぜですか?アルフレドとサンクキングダムと言えば、何百年にも渡って同盟を結んできた仲じゃないですか。……それなのに何故?」
「大和君。国と国が互いに同盟を結んだとしても、それが必ずしも友好関係にあるとは限らないのだよ。むしろその逆もありえる」
大和は正直何がなんだかよく分からなかった。ただ漠然とだが、大人の、つまり政治の話をしているということだけは、何となく理解出来てはいた。
「アルフレドとサンクキングダム。この二大国家の同盟は、表面上は穏やかなものだった。魔王軍、もしくは四天王が攻めてきた時は、互いに助け合いながら敵の侵攻を防いできたものだ。しかし、その水面下では、醜い政治闘争が起こっていたのもまた事実だ。アルフレドの幹部が元老院に賄賂を渡し、自国にとって有利な条約や政策を執り行わせていたこともあったそうだからな」
「昔の話だ」
ティナが不機嫌な表情で反発した。

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