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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜
官能リレー小説 - ファンタジー系

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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜 194

「サンクキングダムの政策や方針を提案、審議、そして決定する最高機関の名前だ」
カスミの説明によると、サンクキングダムでは国の政策に対し、誰が提案したかに関わらず、例えどんな些細な政策でも一度は元老院と呼ばれる機関で綿密な話し合いを行い、その後、可決か否決を決定するらしい。それは、例え国王が提案した政策でも関係ないのだという。
「元老院は12人の幹部連中によって構成されている。そのうちの1人が、昼間に城の外で会ったあの眼帯をした男、独眼竜ヴェインだ」
残りの11人は、もう隠居をしてもおかしくないほどの老齢ばかりらしい。
「議論は長時間にも及ぶ事もあり、中には互いの胸ぐらを掴みかかるぐらい白熱した激論を交わす事もあるそうだ。だが、そんな元老院の連中が、1つだけ共通してる事がある。それが、親アルフレド派だ」
親アルフレド派。彼ら元老院は、サンクキングダム単独で魔王軍、そして四天王といった二大勢力と刃を交える事を、非常に恐れているそうだ。
「今までは、アルフレドが魔王軍を、サンクキングダムが四天王を抑えていた。だけど、アルフレドがクーデターで崩壊。残されたサンクキングダムは、自国のみで戦わなくてはならなくなった。実際アルフレド崩壊直後は、家臣の離反や賊の横行が国内の至るところで多発して、王国は大変だったそうだ。あとは……」
アーカートに直接訊いてみろ、とだけ言い残しカスミは口を閉ざした。
「どうして?最後まで教えてくれたっていいじゃないか」
「そう言うな。実は私も、城の中を調査したはいいが、詳しい事は分からなかったんだ。それに、ここから先は、私よりアーカートやティナの方が詳しいはずだからな」
そう言うとカスミは、
「ほら、早く訊いてこい。私よりお前の方が、簡単に教えてくれそうだからな」
と、大和の背中を軽く押すのである。
「………しょうがないな」
ぶつぶつと文句を言いながらも、大和はティナ、カルラと話し込んでいるアーカートに近づいた。
「アーカートさん」
「ん、どうした大和君?」
アーカートが大和の目を見た。
「実は、さっき城に入った時………」
大和は先程入城した時の状況を詳しく説明した。城兵達の大和達に対する異様な態度も、正確にアーカートに伝えた。
「一体何があったんですか?」
すると、それに答えたのはアーカートではなく、
「そりゃそうだろ。アイツら心の中じゃ、俺たち全員死ねばいいのに、とか思ってるだろーからな」
カルラだった。
「どういう意味ですか?」
大和が訊いた。冗談にしては、あまりにも物騒な発言である。

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