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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜
官能リレー小説 - ファンタジー系

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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜 193

「まぁ、これはまだチビスケには早いかな」
カルラは、ふふんと大和を鼻で笑うと、
「お前はまず表の本質をしっかりと見れるようになっとけ。必要なのは広い視野に優秀な知力。相手の嘘を見抜く眼力。そして、豊富な経験だ。裏を見るのは、それらが一定のレベルまで達してからだな」
大和は思った。
(この人、一体どういう修羅場を潜ってきたんだ?)
アーカートは何故かカルラを重用していた。最初は、只の幼なじみだからだと思っていたのだが、時折見せる壮絶な迫力や、誰もが感心するほどの博識な一面を見る度に、この男が只者ではないことを大和は実感していた。
「あ、そういえばさ……」
その時、ジェンが何かを思い出したように、声をあげた。
「カスミ。さっきのあれ、教えてよ。何で私達が恨まれてるのか、気になるじゃない」
「ああ、それはだな……」
カスミがその理由を述べようとしたその時だった。
「それは私から話そう」
バタンと扉が開き、疲れた顔をしたアーカートとティナが入ってきた。
「よぉ、元老院のじいさん共はどうだった?」
「どうもない。頭が痛くなるような話を延々と聞かされただけだよ」
そう言いながら、アーカートはベッドの上にドサッと倒れ込んだ。相当疲れているようだ。
「上層部は思ったより複雑だな。軍人と文官の対立が目に見えて深刻化している」
ティナも疲労困憊のようだ。椅子に座り込むなり、大きな溜め息をつく。そして、ベッドに裸で寝ている妹を見て、さらに大きな溜め息をついた。
「それで、会談ではどういった事を話されたのですか?」
2つのカップに温かいコーヒーを注ぎながら、シホが訊いてきた。
「大まかに話すと、話題は2つだ。1つはこれからのサンクキングダムの方針。もう1つは、我々の今後についてだな」
「状況は悪い方向に進んでいる」
シホから手渡されたコーヒーに口をつけながら、アーカートが言った。
「軍人と役人の足並みが揃っていない。国王のトースモア王でさえ、彼らを纏め上げるのが困難となっているのが現状だ。今、四天王や魔王軍に全力で攻め込まれたなら、この国は崩壊するな」
「それほどまでに……」
「元老院の中で、サンクキングダムを支える力があるのは、今のところ第一王子のヴェインだけだ。あとは、足を引っ張るだけ」
「元老院は保守的な年寄りばかりだからな」
カルラが嘲笑うかのように言った。アーカートは、彼にしては珍しく、苛立った表情を浮かべていた。
「ねぇ、カスミ。元老院って何?」
一方、彼らのやり取りを聴いていた大和は、会話の中に時折出てくる元老院という言葉の意味を、近くにいたカスミに訊いてみた。

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