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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜
官能リレー小説 - ファンタジー系

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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜 19

「うわっ!!……何、エドウィン?」
声の犯人はエドウィンだった。そのエドウィンはというと、
「はぁ?そりゃこっちのセリフだぜ。さっきから難しい顔しちゃってよ。大丈夫か?」
と、大和の顔を下から覗き込みながら言った。横を見るとサリナも大和を心配する表情を浮かべている。
「え!………うん、大丈夫だよ。心配しないで」
「そうか?それならいいけどよ」
「本当に大丈夫だって。さぁ、早く帰って、明日の準備をしようよ」
そう言って大和が席を立った。エドウィンとサリナも一緒に立ち上がる。
そして大和を先頭に、3人がドアを開けて廊下に出たその瞬間、
ドンッ!!
「痛っ!!」先頭の大和が何かにぶつかった。
その直後、紙がバサバサと廊下に落ちていく音が聞こえてきた。
「おやおや。これは参りましたね」
紙が落ちるバサバサという音に混じって、若い男の声がした。見ると、爽やかな雰囲気の細身の男が困ったような表情を浮かべながら立っていた。
「あ、シドウさん」
大和が男の名前を言った。男の視線がこちらに向く。
「これはこれは、大和君ではないですか。エドウィン君にサリナさんも、お久しぶりです」
馬鹿丁寧な挨拶をしながら、シドウは廊下に落ちた書類と思われる紙をゆっくりと集めていく。
やがて集め終わると、
「この書類をアーカートさんに届けにきたんですが………、どうやら、いらっしゃらないようですね」
と如才のない笑みを浮かべながら言った。
シドウは少しの間考えると、
「仕方がありません。あまり気が進みませんが、勝手に部屋に置かせてもらうことにしましょう。では入りましょうか、ノネムさん」
言われて気が付いた。
大和がシドウの背後を見ると、そこにはまるで幽霊のように存在感を感じさせない少女が立っていたのである。そして彼女もまたシドウと同じように両手一杯の書類を持っていた。
「……………」
ノネムと呼ばれた少女は返事をしなかった。変わりに首を少しだけ前に傾ける。
「では行きましょう。失礼します」
一応挨拶をして、シドウとノネムがアーカートの部屋に入っていく。
シドウ。シドウ・イーパス。年は30と言っていたが、20代前半でも通用するぐらいの顔立ちをしていた。如才のない笑み。柔和な目。なかなかのハンサムである。
10年程前からメリツ修道院で働いており、院の大司祭アーデントからの信頼も厚い男であった。
そして、少女ノネム。本名不明。年齢不明。
半年ほど前、メリツ修道院の近くの山で倒れていたところを発見、保護された記憶喪失の少女だった。
名前も年齢も、何故自分が山の中にいたのかもわからない。外見上は10代前半、おそらく大和と同い年ぐらいか。とにかく全てが謎の少女である。
仕方なく修道院で預かることになったのだが、その時つけられた名前がノネムであった。

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