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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜
官能リレー小説 - ファンタジー系

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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜 190

「調達?」
次の瞬間、さっきまでとはまるで別人のような視線でアーサーがカスミを睨み付けた。
「城内を嗅ぎ回ったんですか?そのような許可はレグナス隊長もヴェイン様も出していないはずですが?」
この城はアーサーら神龍隊の精鋭兵達が住んでいる場所でもあった(他の一般兵は外の幕舎で寝泊まりをしている。神龍隊は例外)。やはり自分の家を、赤の他人にネズミのように歩き回られるのは、誰でも不愉快なのだろう。アーサーも見るからに不快感をあらわにしていた。
しかし、それよりも大和が気になったのが、
(レグナス……隊長か。………親子)
大和はレグナスの顔を思い浮かべ、目の前の青年と比較してみた。この親子、確かに似ていなくもない。特に目元なんかは瓜二つといっていいくらいである。しかし、熊のようなレグナスの体格とは違い、アーサーの体格は至って標準並みだった。体つきは似なかったのかもしれない。
「歩き回ったと言っても、許可された範囲ないだけだ。それ以外のエリア内には足の指一本たりとも入ってはいないがな」
カスミがアーサーの視線を真っ向から受けながら言った。
「それに、軍事施設や王国に関連する情報がある部屋等には、厳重な警備がなされていた。いくら私でも、あれだけの兵の目を誤魔化す事は出来っこないさ。誓ってもいい。アンタ達が入室を禁止した部屋及び階層には、私は一歩たりとも足を踏み入れてはいない」
「では、如何にして情報を集めたのですか?」
「簡単な事だ。兵達の雑談を盗み聞きしたのだよ」
アーサーが軽く溜め息をついた。そんな無駄話をしていた兵達に、軽く失望したのかもしれない。
「……まぁ、今回だけは大目にみましょう。しかし、今度また、城内を嗅ぎ回るような真似をすれば、問答無用で上に報告しますので、その時は覚悟しておいてください」
アーサーはそれだけ言うと、再び歩き始めた。
「ふぅ……」
直後、カスミが緊張の糸が途切れたように肩を落とした。
「あの兵士、ものすごい視線だった。まだ若いみたいだが、さすがサンクキングダムの精鋭部隊と言われる神龍隊の一員だけのことはあるな」
カスミの手のひらは、汗がじんわりと滲んでいた。
「カスミ。あんまり無茶な真似はしないでよ。正直、どうなるかと思ったよ」
「ああ、すまんな。少し調子に乗りすぎたようだ。今度から気を付ける事にしよう」
そうカスミが答えたその時、
「ところで、結局アンタが調べた事って何なの?教えてよ」
と、ジェンが2人の話しに割り込んできた。
「あ、それは僕も聞きたかったんだ。確か、アルフレドが関係してるって言ってたよね。どういう意味なの?」
「ああ、それはな……」
と、カスミが説明しかけたその時、
「何をしているのです。早く来ないと置いていきますよ」

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