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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜
官能リレー小説 - ファンタジー系

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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜 188

アーサーは、先程ガルドが口にした若干嘘が入り混じっている大和失踪事件の真相を語り始めた。
やがて、話が終わると、
「そうだったのか。迷子を助けるなんて、王様ってやっぱり優しいんだね」
「うむ、見直したぞ大和。私は、てっきり女に逆ナンされてついていったかと思ってたからな」
と、ジェンとカスミが言う。
「ははは。大和殿に限って、そのような事があるわけないじゃありませんか」
アーサーは笑いながらカスミの発言を否定するが、彼女の言ったことは遠からず当たっていた。流石はカスミと言うべきか、鋭い洞察力である。
「ねぇ、他のみんなはどうしたの?」
これ以上何か聞かれてボロを出す前にと、大和はさりげなく話題を変えることにした。
カスミが答える。
「アーカートとティナはサンクキングダムの幹部連中と会談中。残りは自由行動だ。みんな、お前の事を心配してたんだぞ」
「う、うん。後で謝っとくよ」
すると、
「………ねぇ、王様。そんなことより、ちょっといいかな?」
不意にジェンが大和に近づき、小声で囁き始めた。彼女にしては珍しく、真剣な表情をしている。
「どうしたの?」
「王様は、まだ気付いてないかもしれないけど、………私達を見る周りの視線、妙に殺気だってるって思わない?」
ジェンに言われて、大和はさりげなく周囲に視線を飛ばしてみた。
直立したまま見張りをする兵士、難しそうな書物を両手に抱えた魔法使い、たまたま通りかかっただけの小間使い、など男女問わず様々な人達が、大和達の周囲をうろついている。
だが、彼らが大和達に向ける視線は尋常ではなかった。まるで、親の仇でも見るような目付きなのである。
「ね、なんか気味が悪いでしょ。私達がここに着いた時も、こんな様子だったのよ。ちょっとおかしいと思わない?」
ジェンの言う通り、確かにこの様子はおかしかった。が、その理由など大和にわかるはずもない。
ただ、大和はさりげなく横目でアーサーの顔を、チラリと見た。先程、城に入る前に彼が口走った言葉が、大和の脳裏に鮮明に蘇る。

「おそらく、歓迎されないと思いますので……」

この言葉の意味を、大和はようやく理解した。周囲の様子を見れば、一目瞭然である。しかし、なぜ自分達が恨まれているのか、その理由が全く分からなかった。
その時、アーサーは小さなため息をつくと、
「大和殿。今日は町中を歩き回って随分とお疲れでしょう。部屋にご案内します。私に着いてきてください」
と、大和に部屋で休息するように勧めた。

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