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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜
官能リレー小説 - ファンタジー系

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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜 187

大和は首を傾げながらも、彼の後をついていく。アーサーが口にした言葉の意味を考えながらだ。
納得いく理由を数通り考えているうちに、2人は釣り橋を渡りきろうとしていた。


城門の前には2人の門番が直立したまま見張りをしていた。
「お帰りなさいませ。アーサー殿」
門番はアーサーに気付くと、左手を額の前まで上げ、声高々に敬礼する。
「うむ。ご苦労」
アーサーも門番に負けじと声を張り上げて敬礼し、彼らを労った。すると、
「アーサー殿。そちらの方は?」
門番がアーサーの後ろに立っていた大和に気付いた。
聞かれたアーサーが無意識に眉を寄せた。出来ることなら、大和の事を門番に聞かれる前に、ここを通過したかったのである。
少し考えてからアーサーはこう答えた。
「………私を訪ねてきた客人の橘 大和殿だ。彼を城内に入れることは、すでにヴェイン様にも伝えてある。面倒な手続きは一切無用だ。早く門を開けてくれないかな?」
この時、アーサーはあえてルカジマやメリツ修道院といった言葉は口にしなかった。それを聞けば、門番がどういう反応をとるか分かっていたからである。
「は、はぁ……了解しました」
一方、アーサーの半ば強制的な命令により、門番は彼に対し少しばかり疑念を抱きながらも、渋々と門を開けるのであった。しかし、大和に対する警戒を怠った訳ではない。門を開けている間も、2人の門番は注意深い視線を大和に向けていた。
門が開くと、アーサーは門番が口を開く前にさっさと中に入ってしまった。門番が鋭い視線を送るなか、大和もアーサーに続いて門をくぐった。
大和とアーサーが門を抜けると、すぐに門はしまった。そして程なくすると、前から駆け寄る見覚えのある2人の姿があった。
(………ヤバい)
駆け寄る2人を見た瞬間、大和の顔が曇った。
すると、
「王様ーーッ!!もう、どこほっつき歩いてたのよ!」
と、片方が叫びながら駆け寄る。
「大和!!まったく、みんな心配してたんだぞ!!」
もう片方も叫んだ。2人共に美人だが、双方目がつり上がっている。大和に対して怒っている証拠だ。
駆け寄ってきた2人は、ジェンとカスミであった。
「ご、ごめんなさい……」
2人が何か小言を口にする前に、大和は素直に謝ることにした。
「ごめんじゃないよ。どうしたのさ、急にいなくなったりして」
「いや、それが……その……」
大和が返答に窮していると、
「大和殿。私が説明しましょうか?」
隣にいたアーサーが助け船を出してきた。
「王様。この人は?」
「はじめまして、神龍隊所属兵のアーサーと申します。大和殿がいなくなった原因は私から説明しましょう」

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