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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜
官能リレー小説 - ファンタジー系

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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜 183

年の頃は、大和より少し上ぐらい。穏和な顔立ちをした若者だが、背は高く、引き締まった身体をしている。
道を尋ねるため大和が近づくと、男がこちらを向いた。
そして、大和が口を開こうとしたその時、
「あの、つかぬ事をお伺いいたしますが……」
と、逆に男が大和に声をかけてきたのである。
反射的に大和は警戒した。神経を目の前の男に集中させる。いざとなれば、すぐにでも走り出せる体勢だ。
「なんでしょうか?」
大和が答える。
男は目を見開きながら、大和の顔をジーッと見ていた。まるで何かを思い出そうとしているようである。
男が言った。
「失礼ですが、あなたは橘 大和様ではないでしょうか?」
途端に、大和は一歩後退りをする。
男も、大和の警戒している様子を察知する。あわてて男はつけ加えた。
「申し遅れました。私、サンクキングダム軍の神龍隊に所属するアーサーと申します。城に向かう途中に行方不明になってしまった橘 大和様とあなたの背格好が父から聞いたものにそっくりだったので、一応声をかけて見たのですが……」

アーサーと名乗った男は、話している間も大和の表情をつぶさに観察していた。大和は渋い顔をしながら黙って聞いてる。それでアーサーは確信した。
「やはりあなたが?」
大和は、名乗りをあげるべきか迷った。
ところが、
「はい、この方が橘 大和様です」
魔法剣ガルドが勝手に答えてしまったのだ。
「ガルド……」
と、大和がガルドに言うと、
「剣が喋った。なるほど、これが魔法剣ですか。噂でしか聞いたことがありませんでしたが、実に見事なものです」
と、アーサーは大和の腰にかけられたガルドをジッと見つめながら言った。
「あまりジロジロと見つめないでいただきたい。私、女ですから」
ガルドが言った。魔法剣には特定の性別は定まっておらず、所有者と反対の性別が魔法剣の性別となる。また、魔法剣が人型に変身できるのは、魔法剣の性別が女性の時のみである。
「あ、これは失礼しました。それにしても、大和殿はなぜこのような場所に?」
アーサーは、大和が最も聞かれたくなかったことを聞いてきた。まさか、道に迷ったから、なんて口が裂けても言えない事である。
「えーと、あの……その……」
「観光ですよ」
あたふたする大和の代わりに、またもやガルドが答えてくれた。
「観光……ですか?」
「はい。アーサー殿がご存知かどうかは知りませんが、我が主、橘 大和様がこのサンクキングダムに来たのは、この国の文化や風土を学ぶためにございます。もちろんその中には、民がどのような暮らしをおくっていくかも含まれています。そのため、大和様は町に到着した直後から、すれ違う民や遠くにそびえ立つ建築物等をつぶさに観察していたのであります」

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