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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜
官能リレー小説 - ファンタジー系

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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜 182

「どこに行くの?」
「違う町。ここには私の探し物は無いみたいだから。次は……そうね、エリンネリーにでも行ってみるわ」
彼女が口にしたエリンネリーという名に、大和は聞き覚えがあった。確かレイの母親が再婚相手と暮らしている自由都市国家だ。
「じゃあね」
それだけ言い残すと、ライラは去っていった。
遠くに離れていくライラの後ろ姿を見つめながら、
「もう1人の自分ってどういう意味なのかな?」
「深く考えない方がいいと思いますよ」
ようやく魔法剣ガルドが口を開いた。
「彼女も言っていたように、大和様には関係ない事です。余計な事に首を突っ込んでいると、そのうち痛い目にあいますよ」
「………分かったよ」
大和が渋々頷いた。
「よろしい。では、早く城に参りましょうか。今頃皆さんが心配してると思いますよ」
そんなことはガルドに言われずとも分かりきっていた。空を見上げると、既に夕闇が迫っている。
「急がないと」
そんな一人言を呟くと、大和は一目散に駆け出した。



数時間後。
「大和様。ここは30分前に通った道ですよ」
ガルドが言った。心なしか、機嫌が悪そうに聞こえてくる。
「えーと、この道を通ったらあそこに出たから。ということは………あれ?」
大和が首を捻る。
「大和様。まさかとは思いますが……」
「な、なにさ?」
「まさかとは思いますが、また道に迷われたのではないですか?」
大和がギクリとなる。
それに気付いたガルドは、わざとらしく大きな溜め息をつくと、
「もういい加減に誰かに道を聞いてみたらどうですか?」
「だけど……」
「だけどではありません。このままだと、半永久的にこの辺りを行ったり来たりするだけですよ。城があそこに見えているのに、一向に近づいていないではありませんか」
「で、でも……」
大和が反論しようとしたその時、道の向こうから若い貴族風の男が歩いてきた。
「大和様。ちょうど人が来ましたよ。彼に城に行く道を尋ねてみたらどうですか?」
どうですか、と言うわりには、ガルドの言い方は少し命令口調になっている。これでは大和とガルド、どちらが主人なのか分かったものじゃない。
「わ、わかったよ」
が、そういうのはあまり気にしない大和は、ガルドの進言に素直に従った。

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