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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜
官能リレー小説 - ファンタジー系

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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜 181

「あー、ええとね……」
大和は返事に窮した。別に彼女を警戒している訳ではないのだが、だからといって、自分がこの町に来ることになった経緯を全て教える訳にもいかない。その必要もない。
大和が何て答えようか考えていると、城に向かう途中に見たウィザード魔法学校を思い出した。
「あー、あれだよ、ウィザード魔法学校に用があるんだ」
「魔法学校?あんた魔法使いなの?」
「ま、まあね。まだ半年ぐらいだけど、それなりに魔法は使えるよ」
「ふーん」
納得したのか、ライラは鼻を鳴らして押し黙った。
ライラが黙り込んだので、今度は大和が聞いてみた。
「ライラはどうしてこの町に?」
この質問に深い意味はない。ただ相手に聞かれたから、逆に自分が聞いてみただけである。
ところが、
「…………」
彼女は答えなかった。その表情は何処と無く寂しそうだった。
(………もしかして、聞いたらまずいことだったかな)
大和の心中を後悔の念が渦巻く。気を紛らわせようと串焼きを口元に持っていくが、それもすぐに無くなった。
大和はさすがに弱ってきた。とりあえず、ライラが来た理由を一通り考えてみる。
「えっと、もしかして踊りの巡業かな?」
ライラは黙ったままだった。どうやらハズレらしい。
「それなら………、まさかライラも魔法学校に勉強しに来たとか?」
ライラは沈黙したまま。これもハズレ。
大和は他の理由を考え出せる限り脳裏に描きつつ、
「じゃあ……」
「………探してるの」
弱々しい声がした。小さくて、今にも消え入りそうな声。
ライラは前をジッと見つめたまま、ゆっくりと口を開いた。
「この町に来た理由は、探し物なんだ」
何を探してるの、と大和は聞いた。
しばらく間を空けてから、ライラは答えた。
「………もう1人の私、かな」



「………は?」
大和は率直な疑問を口にした。探し物と言っているから、てっきり思い出のアクセサリーや亡き両親の形見など、目に見える理解しやすい解答を期待してたのだが………。
(随分と抽象的だな……)
大和の正直な意見だった。それに気付いたのか、
「ごめんね。やっぱり、分かりにくいよね」
ライラが大和に視線を向けながら言った。
「ライラ。もう少し詳しく教えてくれないかな?」
しかしライラは、
「ごめん、これ以上は無理。だって大和には関係ない事でしょ」
そう言うと、話しは終わりと言わんばかりに立ち上がった。

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