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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜
官能リレー小説 - ファンタジー系

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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜 179

「坊や、安心して。私たちがすぐにお母さんを探してあげるからね」
踊り子は立ち上がると、男の子としっかりと手を繋ぎ、最後に黙って傍観していた大和をジロリと睨むと、
「ほら、ボケッとしてないで。あんたも探すのよ」
と、言った。
「何で僕が?」
「この子が最初に頼ったのはあんたでしょ。だったら最後の最後まで面倒みなさいよ。それとも、困っている子を黙って見過ごすつもりなの。信じられない。あんた、男の中の屑ね」
踊り子が毅然と言い放った。
おまけにその声の音量ときたら、半端なものではない。通りを行く町民が足を止め、さらには家々から人がなにごとかと出てくるぐらいの大音量である。
さらに、困り果てる大和に追い討ちをかけるように、迷子の男の子が泣き出してしまった。
これには完璧に降参である。大和は溜め息をつくと、
「わかったよ。一緒に探すから、大声で怒鳴らないでくれ」
そう言いながら、大和は泣きじゃくる男の子に近づき、
「ほら、泣かないでよ。男の子はそんなに泣くものじゃないよ」
と言いながら、男の子を抱きあげ優しくたしなめた。
(仕方がない。さっさと母親を探して、城に向かうとしよう。でも、一体どこを探せば……?)
と、大和が思案していると、
「じゃ、探しに行きますか。ところで、あんたこの町の人?この辺りに詳しいの?」
女が大和に聞いてきた。大和は首を横に振りながら答える。
「ううん。今日この町に到着したばかりだから、場所とか全然……」
「そっか、私も数日前に来たばっかりなんだよね。うーん………まぁいいわ。とりあえず適当に歩き回ってみるから。さ、行くわよ」
踊り子の無計画ぶりに大和はすっかり呆れ顔になってしまった。
「ねぇ、まず最初に、この子の住んでる場所を聞いた方がいいんじゃないの?」
「そんなのとっくに聞いたわよ。ついでに名前もね。名前はケント君。でも、この子自分が住んでる場所わからないらしいのよ。子供の頃って住所聞かれても答えられないケースが多いから困るのよね」
困ると言ってるわりには、全然踊り子は困った顔をしていない。それとは逆に、迷子のケント少年は非常に申し訳なさそうな顔をしている。
「とにかく、場所がわからないならしらみ潰しに探すしかないでしょ。……ところで、あんた名前は?」
今、思い出したような顔をしながら、踊り子が聞いてきた。
「僕は大和。橘 大和だよ」
「橘 大和か。ふーん、変な名前ね。私はライラ・リズマニア。よろしくね、大和」
ライラがにこりと微笑む。それが、かなり可愛い。思わず、大和はドキッとしてしまった。
(ライラか。性格はともかく、綺麗な女性だなぁ。結構スタイルもいいし、ケント君の母親を探した後に、誘ってみようかな?)

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