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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜
官能リレー小説 - ファンタジー系

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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜 176

「兄上って言ったわよね。ひょっとするとあの子、ラクス・ピースクラフト?独眼龍ヴェインの妹の?」
「左様。そなたも噂ぐらいなら耳にしてると思うが」
「へーえ、あの銀麗騎士と会えるなんてね。結構可愛い顔してるじゃないの。でも、意外と無愛想なのね」
「寡黙なだけだ。普段は無口だが、戦場では誰よりも大きい声で指揮下に号令をかけてくださる。頼もしい限りじゃよ」
「ふーん」
と言いながら、モルティラニアは次第に離れていくラクスの背中を、ただジッと見つめていた。
「それにしても、こんなところで立ち話して客人を待たせても仕方がない。早く城に向かいましょうぞ」
「ああ、確かにそうだな。ならば参りますか。皆さんが城に着いたら美味い料理でも出して歓迎しますよ」
ヴェインはそう言うと、自ら先頭に立ち、フリッドリッチに向けて進み始めた。その後ろを大和達がぞろぞろとついていく。
フリッドリッチに近づくにつれ、仲間達の雑談が少しずつ減ってきた。
そんななか、ヴェインが並んで歩いていたアーカートに話しかけた。
「………橘 大和か。貴殿は随分と興味深い人材を得たものですな」
意味深な微笑を浮かべるヴェインに、アーカートは戸惑ってしまった。
「………それは、どういう意味ですか?」
自身を落ち着かせるようにアーカートが聞くと、
「意味………ですか。ふっ、別に特別な意味はありません。ただそう思っただけです。どうか気になさらないでください」
と、返ってきた。
(この男、独眼龍などと呼ばれているようだが、心の中は狸だな。まるで腹の内が読めん)
「………彼は、我が校の一生徒です。それ以上でもそれ以下でもありません。それとも、何か気になることでもあるのですか?」
アーカートは探りを入れてみた。少しでもこの男の考えが読めれば、と思ったからである。
ヴェインの隻眼が、アーカートに向けられた。
「いいえ、何もありませんよ」
ポツリと呟き、ヴェインは口元だけ微笑ませる。あくまでも口元だけである。彼の隻眼は、それとは逆に妖しい光を放っていた。
反射的にアーカートは目を逸らした。ヴェインはその様子を見て満足そうに微笑むと、視線を前に直した。
そんな話をしている間に、いつの間にか、彼らはフリッドリッチの門の前にたどり着いていた。



始めてみるフリッドリッチに、大和とその仲間達は圧倒されたようだった。人が多い。活気にも溢れている。兵の数も多かった。

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