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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜
官能リレー小説 - ファンタジー系

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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜 175

だが、
(………あれ?)
またもや、大和の脳裏を奇妙な違和感が一瞬通りすぎた。しかし、それが何だかよく解らない。
(………なんか、あの人が握手をかわすたびに感じるんだけどなぁ)
もしかしたら、他にもこの感覚を感じている人がいるかもしれないと、大和は仲間達を見回した。が、どうやらこの違和感を感じてるのは大和だけのようだった。
(本当に気のせいかな?)
大和が1人考えながら、ヴェインをジッと凝視していると、
「…………」
ヴェインと視線があってしまった。ヤバッ、と思ってももう遅い。
「この少年は?この中では最年少のようだが」
ヴェインが大和に視線を向けながら、アーカートに聞いた。
「その子は魔法学校で毎回トップの成績を納めている橘 大和君です。大変優秀な生徒で、他国の文化に対する関心もあります。そこで今回の旅でサンクキングダムの文化を是非学ばせたいと考えて、同行させたのですよ」
アーカートがスラスラと口を開く。どうやら、大和の事を聞かれても大丈夫なように、前もって考えていたらしい。
「そうですか、我が国を学びたいと。それは嬉しい限りですな。大和君、心行くまで見学してくれたまえ」
大和の目の前に、ヴェインがヌッと手を差し出した。
握り返すか、やめておくか、大和は迷っていた。先程の違和感を考慮すると、彼の手に触れるのはやめたほうがいい。しかし、握手を無視するのは相手に対して失礼極まりないし、アーカートやティナにも迷惑がかかってしまう。
(…………)
数秒迷った後、大和はヴェインの手を握り返した。多少の不安はあったが、自分の勘違いかもしれない、と考えなおしたのである。

だが次の瞬間、
(………また!)
大和を奇妙な感覚が襲った。だが、今回はそれだけではなかった。
「…………ッ!」
ヴェインは小声で呟くと、1つしかない目をカッと見開いた。アーカートやティナと握手した時には無かった反応である。その瞳は驚愕の色に包まれていた。
「あの、どうかしましたか?」
思わぬリアクションに、大和は恐る恐るヴェインに声をかけた。
「………んッ、ああ、すまない。ゆっくりしてくれたまえ、大和君」
2人の手が離れた。
すると、それを待っていたかのように、先程からヴェインの後ろで終始無言のまま突っ立っていた銀色の鎧を着た女が、
「兄上、私は一足先に城に戻り、皆に客人の到着を伝えて参ります」
と、言った。
ヴェインが答える。
「ああ、わかった。彼らは私がお連れするよ」
「かしこまりました」
女はそう言い残すと、馬に颯爽と跨がり、遠くに見える町に向かって走っていった。
それを見ていたモルティラニアが、レグナスに小声で話した。

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