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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜
官能リレー小説 - ファンタジー系

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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜 174

数はおよそ200。一丸となって賊の真横をついた。攻撃を受け、敵は一瞬にして混乱状態に陥った。
賊からしてみれば、これはまさしく想定外の事態であった。何しろ、たまたま目の前を通りかかった旅の集団に襲いかかった瞬間、今度は自分達が奇襲を食らったのである。おまけに、その部隊が恐ろしく強い。賊はみるみるうちに数を減らしていった。
(すごい……)
と、大和は思った。
突如現れた集団は、まるで一つの生き物のように統率されている。無駄な動きなど何一つ見当たらなかった。
しかし、隣にいたレグナスは、チッと舌打ちすると、
「左翼2名、中央1名の動作が緩慢すぎる。周りの兵との呼吸が合っていないではないか。軍の足手まといになるまえにもう一度鍛え上げねば……」
どうやら、レグナスは戦闘中の兵の動きに若干の不満があったらしい。値踏みする目つきで兵達を見ている。
しかし、大和にはその欠点どころか、それを指摘された兵がどこにいるのかさえ分からなかった。
何しろ敵味方入り乱れての乱戦状態である。この状況で兵1人1人の動きを観察するほうが無理というものだ。
やがて、賊が逃げ始めた。騎馬隊が追撃を開始するなか、先程部隊の先頭を駆けていた2人の男女が部隊を離れ、大和達に近づいてきた。
「久方ぶりだな、レグナス。元気そうで何よりだ」
馬から飛び降りた男が言った。左目に黒い眼帯を着けている。スラッとした体型の美丈夫で、思慮深い顔立ちをしたなかなかの好青年である。
「王子こそ、お変わりありませんな。今日は王女とご一緒に我らを迎えに参られたのですか?」
レグナスが笑いながら言った。
それに対し隻眼の男は、
「ふっ、まぁそういうことにしておこう」
とだけ言うと、視線をレグナスの後ろに向けた。
「彼らが?」
「ええ、メリツ修道院から参られたルカジマの代表者達です。アーカート殿、こちらは、サンクキングダム現国王、トースモア王の嫡男であられる……」
「ヴェイン・ピースクラフトだ。よろしく、アーカート殿」
名乗りながらヴェインが手を前に差し出した。
「アーカート・ブリスです。貴殿の活躍は前からたびたび耳にしておりました。本日は、そのご本人にお会い出来て光栄です」
アーカートが軽い会釈をしながら、ヴェインの手を握り返す。双方の代表者同士の何の違和感もない普通の挨拶である。
だが、2人の手が触れ合った瞬間、
(………ん?)
大和を奇妙な感覚が襲った。
慌てて大和は周囲を見回しすが、別におかしいところはない。
(気のせいか?)
視線をヴェインに戻すと、彼はアーカートに続いてティナと握手をかわそうとしていた。彼女も、今となってはルカジマの重要幹部の1人で、元はアルフレドの将軍でもあったわけだから、2人が握手をかわしたところで別に不自然ではない。

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