PiPi's World 投稿小説

気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜
官能リレー小説 - ファンタジー系

の最初へ
 171
 173
の最後へ

気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜 173

「あれがフリッドリッチですか」
遠くに見えてきた大都市を前に、大和は無邪気な声をあげた。
「フリッドリッチ。大国サンクキングダムの首都としてしられ、工業や商業の発展も目覚ましい。また、人々の活気にも溢れている。町の郊外には常に5万の軍勢が駐屯しているらしい」
説明してくれたのはティナだが、彼女もまたフリッドリッチの大きさに圧倒されていた。
「外から見ただけでその様子では、中に入った途端、驚愕しすぎて心臓が止まってしまいますぞ」
レグナスが冗談を口にしながら先頭を歩く。
大和達はフリッドリッチへと真っ直ぐに延びている街道を進んでいた。周りは平原であり、雑草が生い茂り、所々に木々が生えているだけの平穏な風景である。血生臭い匂いの欠片も感じられない穏やかな空気が漂っていた。
そのため、大和達は油断しきっていた。それは、長旅の目的地を前にして、疲れのせいかすっかり気を緩めていたためである。
ところが、それは突然現れた。
不意に怒号が聞こえた。見ると、100人程の武器を構えた見るからに悪人面した集団がこちらに向かってきていた。おそらく賊徒であろう。話し合いの余地は無いとみていい。
「どうやら、俺達を旅芸人か何かと勘違いしてるみたいだぜ」
カルラが拳をポキポキと鳴らしながら言った。
「旅芸人かどうか、教えてやる必要があるみたいだな」
アーカートが一歩前に出る。この2人は応戦する気満々である。
「他のみんなは先に行っててくれ。この程度の敵、私とカルラの2人だけで十分だ」
アーカートが他のみんなに先にフリッドリッチに行くよう促した。
ところが、不意に地響きを感じた。
(今度はなんだ?)
その場にいた全員がそう思っていると、
「あの、また何か出てきましたけど……」
ナタリーが賊が押し寄せてくる方向とは違う方向を指差していた。


騎馬隊。地から沸きだしたかのように、突然姿を現し、大和達に向かってくる賊徒の側面へと、凄まじい速度で突撃していった。
「あれはなんだ?」
ティナが言った。大和ははじめ、それが味方だとは思わなかった。敵の援軍かと思ったのである。
「落ち着きなされ。あれは味方ですぞ」
レグナスが大和達を安心させるように言った。
彼の言葉通り、出現した騎馬隊は真っ直ぐに賊に迫っていた。先頭を駆ける銀色の鎧を着た若い男女がその指揮官のようだ。

SNSでこの小説を紹介

ファンタジー系の他のリレー小説

こちらから小説を探す