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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜
官能リレー小説 - ファンタジー系

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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜 164

先程のガルドの説明では、かすり傷でも致命傷並のダメージを受けるはずだった。そして今、大和はかすり傷どころか、鞭の攻撃をまともに食らっている。もしガルドの話が真実なら、この時点で大和は死んでてもおかしくない。だが、
(確かに痛いけど、それほど大したダメージじゃない。ていうか炎の魔力も全く感じないし、いったいこれは……)
その時、大和は自分の左手の薬指が青白く輝いていることに気付いた。
(……これは、退魔の指輪)
彼の指で光っていたのは、旅に出る直前にラティアから預かった退魔の指輪だった。
「ば、馬鹿な……ドラゴンウィップの魔力を……無効化してる」
サドクインの瞳は、信じられない物を見てるかのように、カッと見開かれている。
一方の大和は、
(ラティアが僕を護ってくれたんだ。……ならば僕は、それに応えてみせる!)
体の至るところが痛い。炎の魔力は無力化してるものの、鞭による直接のダメージはしっかりと食らっているからだ。
しかし、大和はその痛みを堪えながらゆっくりと立ち上がった。
「はあぁぁぁ!!」
残された力を振り絞り、大和はサドクインに再び襲いかかった。
「このクソガキが!私に近づくな、汚らわしい!」
サドクインが鞭を振り回し、大和を攻撃する。しかし、すでに彼女には先程までの余裕や冷静さは失われていた。
最強の武器と自負していたドラゴンウィップの魔力が全く効果がない事に焦っていたのである。
焦りはミスを生む。サドクインの攻撃は、大和にほとんど当たっていない。そうなると俄然勢いづくのが攻める大和である。
繰り出される攻撃を避けながら、大和はついにサドクインの懐まで近づいた。
「食らえッ!!」
怯むサドクインに対し、大和はガルドを斜め上に切り上げた。サドクインの肩から血が吹き出し、手からドラゴンウィップが離れる。
「このッ、よくも!!」
痛みよりも怒りの感情の方が勝ったサドクインが、血が流れる肩を押さえながら、大和の腹部をおもいっきり蹴りあげた。その威力に、大和は、がはッと刹那の悲鳴をあげながら仰向けに吹っ飛ばされた。その時、
「少年。どこだ!どこにいる!」
「大和君、どこにいるの!」
先に洞窟に入った大和を探すレグナスとモルティラニアの声が聞こえた。
「ちッ、どいつもこいつも使えない奴等ね。盗賊などを頼りにした私が間違いだったか……」
サドクインはうずくまる大和を一瞥すると、落ちていたドラゴンウィップを拾い上げ、奥の扉へと消えていった。
(あの奥には……確かジュリアさんが……)
ふらつきながらも、大和はガルドを杖代わりに立ち上がり、逃げたサドクインの後を追った。



逃亡したサドクインを追って、砦内の奥に向かった大和は、捕らわれたジュリアを探していた。
幸い、奥にも松明がともされていて、薄明かりではあるが内部が確認できた。

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