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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜
官能リレー小説 - ファンタジー系

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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜 161

扉を半分開いたところで、突如甲高い風切り音が大和の耳に飛び込んできた。反射的に地面にしゃがみこむ大和。
ボンッ!!
大和の頭上で鉄製の扉が見事に砕け散った。ハンマーで叩いてもここまで見事に砕けないだろう、というくらいの凄まじい砕け方である。
「残念ね。当たってたら、一瞬で死ねたのに」
奥から女の声が聞こえた。ガルドを構え、大和が中に入る。
入った部屋は、部屋全体が深紅でまとめ上げられていた。深紅の壁紙に深紅の椅子。大理石風のカーペットを敷き詰めた床までもが深紅である。
そして、部屋の中央には、予想通りと言うべきか、先程外で怒鳴っていた深紅のボンテージを着た女が、腰に手を当てながら突っ立っていた。手には見慣れない物が握られている。
「可愛い坊や。殺すには勿体無いくらいだわ」
大和の姿を頭の先から爪の先までしげしげと観察しながら、女が呟いた。
「お前がサドクインだな。ジュリアさんを返せ!!」
大和が叫んだ瞬間、サドクインは鞭を振りかざした。ビュンッという風切り音を立てて、鞭が大和に襲いかかる。
「くッ!!」
咄嗟に大和が横に飛び退いた。刹那、彼の背後の壁が派手に砕け散る。
「私のことは女王様と呼びなさい。ふふ、床に亀みたいに這いつくばるなんて、無様な格好ね」
サドクインは楽しそうに、ヒュンッヒュンッと鞭を操りながら小気味良い音を鳴らしている。
「大和様、気をつけてください。あの鞭、何らかの特殊な加工を施していると思われます」
サドクインに聞こえないような小声でガルドが大和に注意する。
「どういうこと?」
大和も小声で尋ねる。
「普通、鞭で鉄製の扉を破壊することなど、ほぼ不可能に等しいでしょう。しかし、それが出来たということは、サドクインの鞭の腕がかなり優れているか、装備してる鞭が特殊かのどちらかです。しかし、今の攻撃を見るからにサドクインの腕は常人レベルでしょう。と、なると………」
「鞭が特殊加工されてる。ってことか……」
長さは5メートルほどだろうか。かなり長い。鞭の全体は薄暗く赤いオーラのような物に包まれていた。
「私も詳しいことは分かりませんが、あの鞭の名はドラゴンウィップ。死んだ竜の皮を特殊加工して作られた武器です。鞭には火属性の魔力が備わっており、もし攻撃を受ければ、例えかすり傷でも軽傷ではすまないでしょうね」
「かすり傷でも重傷って、じゃあどうするのさ?」
「何ぶつぶつ一人言してるのかしら?さあ、楽しい事をしましょう。今日は私のストレス発散のために頑張ってくれなくちゃ」
手にした殺人鞭でブンブンと宙を切りながら、サドクインがニヤリと笑う。

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