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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜
官能リレー小説 - ファンタジー系

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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜 159

「アンタ!!すぐに私の部屋に行き、ドラゴンウィップを持ってきなさい。私が左曲輪を守るわ」
そう言って、サドクインは本丸から左曲輪に向かおうとしたが、一足遅かった。
武器を構えた女が5人。手薄になった左曲輪に侵入していたからである。



大和とレグナスは、綱にしがみついていた。彼らは本丸の背後にそびえ立っている絶壁を綱で降下しているのである。
極めて慎重に、しかし急いで降下しなければならない。見つかれば、当然弓矢で狙い撃ちされる。
そのため、2人は町民から岩肌と同系色の服を借りていた。
「どうやら、ジェン達が攻撃を開始したみたいですね」
大和がレグナスに小声で話しかける。
「そのようだな。しかし、まだ油断は出来ぬぞ。現時点で一番危険なのは我らだからな」
下の状況を把握しながら、2人は降りていた。赤いボンテージ風の衣装を着た女が部下に怒鳴り付けている。
(……あれが盗賊団の首領サドクインかな?………悪趣味な服)
心の中で大和はそう思っていた。


その頃、アーカートとカルラ、モルティラニアの3人は、中央曲輪の近くまで侵入していた。
これも、町民やジェン達が囮になって敵を引き付けているおかげであり、またアーカート達が3人しかいなかったために出来たことである。
3人は、じわじわと侵入を続ける。こちらも大和達と同様、気付かれないことを祈るだけだった。



大和とレグナスは、下まで後少しのところまで迫っていた。
下の本丸には洞窟があり、先程中から数名の盗賊達が出ていったばかりである。盗賊達は、その殆んどが中央、または下段曲輪の守備についていると思われていたが、意外とまだ残っていたらしい。
ちなみに、赤いボンテージを着た首領らしき女は、盗賊達が出てくる前に洞窟の中に入ったきり出てこなくなってしまった。
「時間が経過するにつれ、中の守備が薄くなっていく。もう少し様子を見よう」
レグナスが小声で呟く。まだ、2人に気付く者はいない。
(もう少し……もう少しだ……)
大和の気がせった、その時だった。彼が足をかけていた岩が僅かに崩れたのである。
(しまった!!)
小石が、音を立てて落ちていく。
レグナスも、すぐに気付いた。
落ちる石の下には、数名の盗賊が待機している。
それに気付かれれば、2人とも弓矢で狙い撃ちされる。
「はッ!!」
突然、大声をあげながら、レグナスが岩肌を蹴って飛び降りた。もちろん、盗賊達は驚いて声のする方を見上げる。
レグナスが着地に成功する。普通の人間が飛び降りたならば骨折は免れない程の高さだったが、流石は阿修羅将軍と言うべきか、見事な着地だった。
もちろん、レグナスの行動は飛び降りただけにはとどまらない。次の瞬間には剣を抜き、盗賊達に猛然と襲いかかった。
一方、大和はレグナスが注意を引き付けてくれた隙に、綱をスルスルと降りる。

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