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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜
官能リレー小説 - ファンタジー系

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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜 154

「他のみんなは大丈夫かしら?」
気絶した捕虜を担ぎながらモルティラニアが言った。
「平気よ。王様の活躍で盗賊達の大半は逃げ腰になってるし、それにこの程度の連中にカスミ達が苦戦するわけないって」
ジェンがあくびをしながら答える。かなり眠たそうだ。目が半分閉じている。
モルティラニアも目をショボショボさせながら、
「それもそうだね。さてと、捕虜も捕まえたんだし、早くホテルに帰って寝よっか」
大きなあくびをしながら、なんとも呑気な事を言った。
ジェンも背伸びをしながらそれに同意する。
既に空は明るくなりかけていた。



翌朝、盗賊団の襲撃によるバランの被害状況が報告された。
死者15名、重傷者42名、軽傷者195名、そして行方不明者1名。
一方、討ち取った賊、または捕虜にした賊の数は100名を越えた。
バランの町民は約500名だから数字だけ見れば、まだ被害は少ない方かもしれない。全壊した建物も2戸のみで、半壊した建物もすぐに修復できる程度の損害だったのだから。
だが、問題はかなり深刻だった。バランの町民全員が塞ぎ込むような出来事があったのである。
それはたった1人の行方不明者にあった。


「その行方不明者がジュリアという女だと言うのか?」
宿泊しているホテルの会議室で、カスミが口を開いた。会議室にはレグナス以外の仲間達全員が揃っている。
「で、ジュリアって誰だ?」
「この町のリーダー的存在の人物だ。優れた経営手腕とリーダーシップを持った女性で、廃墟同然だったバランを立て直した第一人者と言っても過言ではない」
カスミの素朴な質問にティナが答える。
「捕虜の話だと、奴等の狙いは最初からジュリアだったらしい。町を襲ったのは、そのついでだったそうだ」
「ついでに町襲われたんじゃ、死んだ人間たまったもんじゃねぇよな」
カルラが椅子を揺らしながら呟く。
「ボスの名前はサドクイン。数年前、この辺り一帯を荒らし回った盗賊団の首領、ハディストの妹だそうだ」
隣に座っていたアーカートが言うと、
「そいつなら知ってるよ。各地から若い娘を誘拐して調教した後に金持ちとか貴族に高値で売り飛ばしていた極悪非道の悪党じゃん」
部屋の隅に寝転んでいたジェンが言った。
「あれ?でも、ハディストって死んでなかった?」
「ああ。確か調教中だった捕虜に逆襲され死亡したはずだ。悪党らしい呆気ない最後だったな」
「んで、そのサドクインって奴も兄貴と同じように捕虜を売り飛ばしたりするのかしら?」
セリスが言った。隣ではナタリーが不安そうな表情で会議室の状況を見守っている。
「おそらくな。性格は兄と同じSらしいし、考えることは兄妹一緒ってわけか」
ティナが何かに取り付かれたような表情で言った。

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