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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜
官能リレー小説 - ファンタジー系

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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜 153

すると、業を煮やした賊の1人が懐から黒く光る球体を取り出した。爆弾である。
「そいつから離れろ!!」
賊が叫び、導火線に火をつけた爆弾をレグナス目掛けて投げようとした。レグナスを囲んでいた賊達が、慌てて彼から離れようとする。ところが、
「させるか!」
それに気付いたティナが瞬時に攻撃呪文を詠唱。ドッジボールサイズの炎の玉を賊が持つ爆弾に向けて放った。

ドゴォン!!!

爆音を轟かせながら、球体は賊の手のひらの中で爆発。彼の周りにいた賊達を巻き込みながら、派手に炎を撒き散らした。
他の賊達が怯む。その隙に大和、アーカート、カルラ、ティナが一気に襲い掛かった。レグナスも心強い味方を得て、ますます血気盛んに賊を成敗していく。
こうなると、盗賊達に勝ち目はない。戦意喪失し、我先にと次々とその場から逃亡していく。



一方、その様子を馬に乗った2人の人間が眺めていた。両方、無精髭を生やしており、いかにも悪人といった顔つきである。
「おいおい、どういうことだよ。あんな強い連中がいるなんて聞いてねぇぜ」
片方の男がもう片方の男に言った。
「俺に言うなよ。と、とにかくあのジュリアって女は捕まえたんだから、俺たちの目的は果たした。子分達も逃げ始めたし、俺たちも早くボスの所に撤退しようぜ」
彼らの話からすると、この2人がバランを襲った盗賊団の幹部らしい。狙いはジュリア。おまけに、彼らの上にはボスと呼ばれる大将が存在するようだ。
「そ、そうだな。早いとこ、ズラかろうぜ」
そう言って、2人が逃げ出そうと馬に鞭を入れたその瞬間、
「どこに行くのかしら?」
暗がりから女の声が聞こえた。
驚いた2人が声のした方に顔を向けた。
「ぐえっ!!」
刹那、暗闇から疾風の如き速さで槍が飛び出し、男の喉元を一瞬で貫いた。刺された男は絶叫を一声残し、地面に崩れ落ちた。
「ひえぇぇぇぇ!!」
もう片方の男が恐怖のあまり、馬から転げ落ちる。男は尻餅をついたまま、その場に固まってしまった。立ち上がろうにも、腰が抜け力が入らないのである。
それでも、男は何とかその場から離れようとジタバタ地面をもがき続けていた。
すると、

ガツン!!!

誰かに後頭部を思いっきり拳骨で殴られた。
男は殴られたショックで脳震盪を起こし、呆気なく気絶した。
「ったく、情けない男ね」
男を殴り付けた犯人、ジェンは呆れた表情で気絶した男を見下ろした。
「世の中の男ってこういうのばかりだからね。何とかならないのかしら?……ま、私には大和君がいるから、はっきり言って他の男はどうでもいいんだけどねぇ」
暗がりからモルティラニアが現れた。絶命した男を仕止めた槍の主は、もちろん彼女である。

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