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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜
官能リレー小説 - ファンタジー系

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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜 140

「ど、どうも……」
思わぬ美女の登場に慌てた大和は、とりあえずペコリと頭を下げる。だが、
「レグナス様。お久しぶりでございます」
「やぁ、ジュリア。相変わらず綺麗だな」
女性は大和を無視して、レグナスに近づき挨拶代わりの抱擁をかわす。
(ジュリア……?)
大和は目の前の、ジュリアと呼ばれた女をまじまじと見つめた。クッキリとした勝ち気そうな瞳が印象的な美女だ。緩やかに波打つ栗色の髪は、サイドを僅かに残しルーズに結い上げている。
「少年。こちらはこの宿の支配人とバラン町長を勤めているジュリアだ。ジュリア、この子は大和。我がサンクキングダムに招待する客人の1人だよ」
自分が紹介されたことに気付いた大和が、再びペコリと頭を下げる。
「大和です。橘 大和。よろしく、ジュリアさん」
「私はジュリア。この宿の支配人です。よろしく」
可憐な声だった。着ている服も露出が少ないドレスで、一分の乱れもない。
「ふふ、可愛い子ね。そういえば、レグナス様。今日はアーサー君は御一緒ではないのですね」
「ああ。息子ならフリッドリッチで元気にやっとる。奴もジュリアに会いたがっていたぞ」
「まぁ、嬉しい」
ジュリアが右手で口元を隠しながら控えめな笑みを浮かべる。
「じゃあ、ジュリア。儂らは温泉に浸かってくるとしよう。旅の疲れを癒さんとな。出てくるまでに豪勢な料理を用意しといてくれよ」
「かしこまりました。では、ごゆっくりどうぞ」
「おう、では行こうか、少年。みんなも待ってることだしな」
大和とレグナスが部屋を後にする。ジュリア言わく、客人の着替え等は脱衣場に完備してあるということなので、大和は魔法剣ガルドだけを持って廊下に出た。そして2人が廊下に出た頃には、すでにみんなが集合していた。
「んもぉ、遅い遅い遅い!あんまり遅いから待ちくたびれちゃったよ。何してたのよ?」
大和とレグナスが合流したところで早速モルティラニアが2人に向かって文句を言った。すると、
「お前が来るのが早すぎんだよ」
タオルを肩にかけたカルラがすかさず割り込んでくる。
「さっきも部屋見てギャーギャー騒ぎやがって、他の客に迷惑だっつーの。ったく、貧乏人はちょっと高価なもの見ると、すぐ騒ぐから困るんだよな」
すると、
「おや?年がら年中ツケで過ごしている貧乏男は、一体どこのどなただったかな?」
アーカートが薄笑いを浮かべながら間髪入れずに突っ込んできた。
カルラが何か言いたそうな顔をしていたが、
「まぁまぁ、こんなところで揉めんでくれ。せっかく温泉に来たのだから、仲良くいこうではないか」
最年長のレグナスが割り込み、どうでもいいような口喧嘩をひとまず終わらせる。

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