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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜
官能リレー小説 - ファンタジー系

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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜 134

そんなジェンが少し気になりながらも、
「べ、別に大した事じゃないよ。取るに足らない世間話さ」
と、好奇な目を向ける野次馬達に弁明する大和だったが、
「あー、大和君顔真っ赤だ。かわいいー」
余計からかわれる羽目になった。しかも、いつの間にかモルティラニアまで大和の近くに馬を寄せていた。
(………参ったなぁ)
何と言えばこの場を切り抜けられるか、頭を抱える大和であった。
一方、
「アーカート殿。少しよろしいか?」
先頭を進む案内役のレグナスが、不意に速度を落とし、後ろを歩いていたアーカートと馬を並べた。
「何でしょうか?」
「付かぬ事をうかがうが、あの後方にいる少年は何ですかな?」
「少年?大和君のことですかな?」
「左様。なぜあのような子供を連れてきたのか、理由を尋ねたい」
レグナスの目が鋭く光る。それはまるで、アーカートの胸のうちを探っているようにも見えた。
「まだ若いうちからいろんな文化に触れること。それは必ずや将来の役にたつと私は考えております」
「なるほど。つまり教育のためですか?」
「その通りです。決して他意はありません。考えすぎですよ、レグナス殿」
アーカートが笑いながら言った。
しかし、レグナスの表情は真剣そのものである。
「本当にそれだけですかな?私には他に何かあると感じるのだが………」
レグナスがアーカートを睨む。その迫力にアーカートは思わず息を飲んだ。彼の視線には、まさしく数多の戦場を駆け抜けた者にしか出来ない鋭い殺気が籠っていたからだ。
まだ26歳のアーカートには耐え難いプレッシャーがレグナスの全身から放たれている。
だが、アーカートも伊達に戦闘経験を積んではいない。
「本当にそれだけです。何か問題はありますかな?」
額から汗を流しながらアーカートが答えた。
再び無言の重圧がアーカートに襲いかかる。と、その時、
「おい、オッサン。本人がそう言ってんだから、いいじゃねーか」
眠そうに欠伸をしながらゆっくりと男が近づいてきた。カルラだった。
レグナスが沈黙を続けながらカルラに視線を移す。当然のことながら、カルラにも歴戦の戦士による重圧がひしひしとのし掛かっている。
が、
「それとも、何か正当な理由が無きゃ駄目なのか?それを言っちまったら、今のメンバーのうち半分以上がメリツに帰んなきゃマズイよな。王国に正式に呼ばれてるのはアーカートとあの女将軍だけなんだし」
カルラはレグナスから放たれる殺気を、まるでそよ風のように受け流しながら言った。
「いや、そうではない。少し気になっただけだ」
レグナスはそう言うと馬の速度をあげ、再びメンバーの先頭を歩き始めた。極限のプレッシャーから解放され、アーカートが胸を撫で下ろす。
「大丈夫か、アーカート」
「ああ、すまない。おかげで助かった」
そう言いながらも、アーカートは内心カルラに対して驚きを隠せなかった。

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