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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜
官能リレー小説 - ファンタジー系

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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜 133

「………?どうしたの、ラティア」
と、大和が尋ねるが、ラティアは顔を少し赤らめて、もじもじしているだけであった。
周りを見ると、旅に出るほとんどのメンバーが既に出発の準備を終えていた。馬に慣れていない大和は、みんなよりも早く準備しなければならなかったのである。
「ラティア。悪いけど急いでいるんだ。話ならサンクキングダムから戻ってきてからにしよう」
そう言って、再び大和が騎乗しようとしたその時、
「大和君。これ!!」
ラティアが両手で何かを差し出した。大和が見ると、それは指輪のようだった。
「ラティア。これは………?」
「退魔の指輪。アルフレド国に代々伝わる宝物なの。あらゆる災難から装備者の身を守ってくれるらしいわ。この旅の間だけ、大和君に貸してあげる」
大和は指輪を受け取り、しげしげと眺める。指輪の外側には、何やら呪文のような物が刻み込まれていた。
「ラティア。君の気持ちはありがたいけど、こんな大事な物は受け取れないよ」
大和が言った。しかし、ラティアは、
「だから貸すだけよ。大和君が無事に帰ってきたら、ちゃんと返してもらうからね」
と、言った。
(………素直じゃないなぁ)
と、大和は思いながら、
「分かったよ。帰ってきたら必ず返す。それまで遠慮なく使わせてもらうよ」
そう答えながら、大和は指輪を左手の薬指にはめようとした。偶然なのか、指輪のサイズは大和の指にぴったりだった。
大和は指輪を装着した左手を上空にかざして、
「どうかな?」
と、聞いた。
「うん。似合ってるよ」
ラティアが口元をほころばせながら答える。
「王様ー。早く来ないと置いてくよー!!」
その時、遠くでジェンが叫んでいるのが聞こえた。ふと周りを見ると、未だ出発していないのは大和1人だけだった。他は全員出発しており、少し離れたところで大和を待っている状態だ。
「いま行く!!」
大声で返事しながら、慌てて馬に乗る大和。
「じゃあ、行ってくるね」
そう言い残すと、大和は馬を走らせ、遠くで待つ仲間達のところへと向かっていった。



「さっきお姫様と何話してたのよ?」
馬を進めながらセリスが早速聞いてきた。
「ふむ。そのヒントはその左手の指輪にあると見た」
カスミも大和とラティアの会話が気になっていたようだ。横を見ると、シホも興味津々にこちらを見ている。
だが、こういう男女の恋愛関係の話題には一番敏感かつ興味があるはずのジェンは、何故か会話に参加しようとしない。彼女はラティアとレシアナの美人姉妹の話題になると、急に表情が暗くなり誰とも口を聞かなくなる傾向が前からあった。しかし、その理由については誰も知らないし、またジェン自身に聞く者もいなかったのである。

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