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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜
官能リレー小説 - ファンタジー系

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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜 131

あの時カルラは、突然襲い掛かってきた魔物を瞬時に撃破し、その圧倒的な実力を大和達に見せつけていた。
「それに気になることがあるんだが…」
カスミの視線は、大和達から少し離れたところでアーカートと会話しているカルラの右腕に向けられていた。
「あの右腕に巻かれた包帯に書かれている文字。あれは確か、ある古い書物に記されていた封印呪術だったような気がするが。しかし、あれは誰でも使える反面、あまりにも強力過ぎて使用できる魔法使いはごく僅かだったはず。あの男は魔法使いでは無さそうだし、私の思い違いのようだな」
と、カスミが言った、その時、
「おはよう、皆さん」
別の方向から声がした。そちらに視線を向けると、そこにはメリツ修道院長の大僧正ロジモイが立っていた。
ロジモイだけではない。彼の後ろには、大和の仲間で妊娠中のレイ、ロジモイを補佐する役目の大司祭アーデント、アーカートが不在の間ルカジマ軍を統括するマルティール、長刀の達人エミリア、ラティア姫・レシアナ姫の美人姉妹、教務長のルーナ、如才の無い笑みを浮かべる僧侶のシドウ、そして相変わらず無口無表情を貫く僧侶ノネムがいた。
彼らは見送りに来てくれたのである。
「ロジモイ殿、見送り感謝しますぞ」
「なんのなんの、気にせずともよい。君たちを見送ったあとは、次は私が見送られる番だしな」
「………シルファール教の総本山に行かれるのですね?」
「ふむ、まぁな。やれやれ、サンクキングダムも厄介な物を持ち掛けてきたものだな。下手をすれば、シルファール教は2つに分かれることになるかもしれぬ」
「……それはどういう意味ですか?」
アーカートが尋ねると、
「シルファール教も決して一枚岩じゃないってことだろ、じいさん」
横にいたカルラが代わりに答えた。
ロジモイはカルラに視線を向けると、
「君があのカルラ・バルカイザーか。噂は聞いているよ。私には悪い噂しか耳に入って来ないがね」
と、皮肉めいた事を言った。
「へっ、どうせろくでもない噂ばかりなんだろ」
「その通りだ。少なくとも、君の修道院内での評判はよろしくないようだ。特にルカジマから来た民達は、君を怯えているようにも見える」
「………………」
「君が過去に何をしたか、私は知らないし知りたいとも思わない。だが、これだけは言わせてもらう」
不意に、ロジモイの眼が鋭く光った。
「もし、君がメリツ修道院の住人に何らかの危害を加えた場合、私は裁判を無視しての独断で君を処刑する。それだけは肝に命じて……」
「もうやめてください、ロジモイ殿」
突然、耐えきれなくなったかのようにアーカートが口を開いた。
「ロジモイ殿、彼は私の友人です。いくらロジモイ殿でも、少し行き過ぎた言動ではありませんか?」
このアーカートの言葉に、ロジモイは己の無礼を恥じた。いくら修道院の為とは言え、初対面の相手にこのような発言をする事は、立場上決して許されるものではない。

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