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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜
官能リレー小説 - ファンタジー系

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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜 125

「それはお前次第だ。大和」
そんなことを言われても大和にはさっぱり意味がわからない。
「ええと、………つまり、どういうこと?」
「お前が望むのならば、ここにいるメンバー全員を同行しても構わないそうだ。アーカートとセリスも誰か連れていくみたいだからな。………で、どうする、大和?」
カスミがわざとらしい笑顔を作りながら言った。ふと大和が見回すと、女性陣全員が同じ笑顔をしているように見える。
「……………うーん」
大和は悩んでいるような唸り声をあげたが、別に同行するメンバーの事で悩んでいる訳ではない。
この状況で誰も連れていかない、または特定の人間だけ連れていく、なんて事を言った日には、その後の仕返しやら嫉妬やらが大変恐ろしい事になるのは明白である。
そうなれば、今後の夜の生活がめっきり寂しくなり、若く精力旺盛な彼にとっては死活問題になりかねない。
大和は既に答えを出していた。しかし同時に心配している事もあった。
彼にとって唯一の心配事は、隣に座る妊娠中の仲間、レイの存在であった。
今度の旅は長い。もし、レイを一緒に連れていき、そして何らかのアクシデントに巻き込まれ、最悪流産するような事故だけは絶対に避けたい。そうなれば、レイは大変悲しむだろうし、そんな彼女も大和は決して見たくない。
しかし、連れていかなければ、またしばらくの間、レイに会うことが出来ないのである。大和にとっては、この世界に来て、最初に出会ったのが他ならぬレイだったため、彼女に対して愛着のようなものがあった。
大和は、隣にいたレイに視線を移し、
「……ごめん、みんな。レイと二人っきりで話があるから、少し席を外してくれないかな」
と、言った。
すると、ジェンが、
「えー、何でよ?私達がいても別にいいじゃん」
などと、声高々にその場の空気を読まずに抗議するのだったが、
「ジェン。わがままを言うな。………少しは大和の気持ちを察してやれ」
反対にその場の空気を呼んだカスミに、おもいっきり首根っこを掴まれ、あえなく外に摘まみ出される事となった。その後に、セリス・シホ・ガルドと続き、最後に部屋を出たカスミが扉を閉めた。
二人っきりになった部屋の中で、レイがため息をつく。
「………話は分かってます。私の旅の同行のことですね」
「………ごめん」
大和が頭を下げる。
「だけど、僕はレイの事が嫌いだから言ってるんじゃないんだ。僕は君の………」
「お待ちください、王」
大和の謝罪を、途中でレイが遮った。
「承知してます。王は、私の事を考えて、あえて私をメンバーから外したのですよね」
大和が頷く。
「その気持ちだけで、私は満足です。王、どうぞ私のことは気にせずに、サンクキングダムに行ってください」
「レイ………」

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