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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜
官能リレー小説 - ファンタジー系

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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜 123

「単純に考えれば、同盟とは味方が増えることではござりませぬか?」
すると、アーカートの隣にいたティナが言い返す。
「だが、同盟とは本来同戦力同士の者達が共通の目的に対して行うものであろう。かつてのアルフレドとサンクキングダムのようにな」
「確かに。その二大国家が同盟を結んだことにより、我ら人間は、魔王率いる魔王軍や、四天王率いる新人類などの侵攻を食い止めることが出来ておりました」
「だが、今は違う。アルフレドは魔王軍により崩壊した」
ティナが悔しそうに下唇をかみ、視線を下に落とした。
「承知しております。アルフレドが崩壊したことにより、結果魔王軍が勢力を拡大。また、今まで不気味な沈黙を貫いていた四天王もついに動き始めた」
「先日のゴート侵攻のことですか?」
「左様。魔王と四天王。この2つのどちらが勝利するか私には分かりませぬ。しかしどちらにせよ、同盟国を失い戦力が落ちた我がサンクキングダムにとっては危機的状況ということでございます」
「なるほど。では貴殿らは亡きアルフレドのかわりに、ルカジマを新たな同盟国とするおつもりなのですか?」
アーカートがレグナスを睨みながら言った。
「左様でございます」
レグナスがあっさりと答える。そして、
「故郷を魔王軍に占領されながらも、民を引き連れ難を逃れ、今に至るまで抵抗を続ける町、ルカジマ。同盟国としてこれほど信頼出来る者は他にないと我が主が申しておりましたぞ」
他の4人の表情が一変したことにレグナスが気付いた。
「待て、レグナス殿。今、我が主と言ったな。もしやこの同盟の話、現国王のトースモア公が持ち掛けてきた話ではないのか?」
アーカートがレグナスを正視しながら言った。
「いいえ、違います」
4人の厳しい視線を、何喰わぬ顔で流すレグナスは、さらにこう付け加えた。
「私を使者に命じたのは、我が主でもあり、同時にサンクキングダム王国第一王子でもある御方、ヴェイン様で御座います」
アーカートにとっては一番聞きたくない名前がレグナスの口から飛び出した。先月、旧友のカルラとした会話が彼の脳裏に浮かぶ。
一方、その場にいたルカジマ・メリツ関係者全員の息が詰まったのを、レグナスは見逃してはいなかった。
「つきましては、皆様方……」
レグナスはズイッとテーブルに身を乗りだし、4人の顔を品定めするようにゆっくりと見回しながら言った。
「同盟に関する具体的内容ですが、それは我がサンクキングダムに直接御来訪していただいて決定したいと思うのですが、如何でしょうか?当方ではすでに会談の準備が万事整っているのですが………」
その有無を言わさぬ迫力を前に、アーカート達は四者四様の表情を見せていた。



その夜、大和達が寝泊まりしている部屋に、橘 大和・レイ・ジェン・カスミ・セリス・シホの6人が集まっていた。

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