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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜
官能リレー小説 - ファンタジー系

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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜 120

それをみて少しばかりホッとする大和。しかし、まだ完全に気を抜くことは出来ない。
大和が番犬のような目付きで、騎乗した男を睨んでいると、
「ふっ、心配せんでも貴殿等に刃を向けたりはせぬ。儂が刃を向けるのは、罪無き者に害をなす卑劣な輩のみだからな」
と言い残し、去ってしまったのである。
大和は、ため息をついてその場に座り込んでしまった。
「大和君!!」
ラティアがとっさに大和の体を支える。
「大和君、大丈夫?」
「う、うん。なんとか………」
大和がラティアの手を借りて、ふらふらと立ち上がる。
「それにしても、あの男……一体何者なんだ?」
「メリツに行くって言ってたわよね。悪い人じゃないみたいだけど……」
「………とにかく、一度メリツに戻ろう。みんなも心配してるだろうし」
こうして大和達は一度メリツ修道院に戻ることにしたのである。



一方、
「……あの男、ひょっとしたら」
近くで一部始終を覗いていたカルラがポツリと呟いた。
「うーん……あのオッサン、ひょっとしたら………」
隣で一緒に覗いていたモルティラニアも、男の正体に心当たりがあるようだ。
覗いていた3人のうち、セリスだけが分からないらしく、
「今の人、誰なの?」
と、2人に尋ねた。
「………あの男は、サンクキングダム王国の王子、ヴェイン直属の近衛部隊、神龍隊の隊長を勤める男、レグナス」
「通称、阿修羅将軍。周囲の反サンクキングダム勢力から恐れられているサンクキングダム王国最強の男よ」
モルティラニアも緊張のせいか、珍しく真剣な表情を見せている。
「でも、そんなにすごい人がなんでここに?」
「そんなの俺に聞くなよ。……しかし、向かった先はメリツか。もしそこに用があるとすれば………」
直後、カルラが1人でぶつぶつと何やら考え事をしだした。その内容が気になったセリスが、ソーッと耳をカルラの口元に近づけてみると、
「………悪い、俺先に帰るわ。用事思いだしちまった」
突然、カルラが一人言を中断。盗み聞きしようとしていたセリスが、思わずビクリと体を震わす。
しかし、カルラはそんなセリスを無視。チビスケの見張り頼むぜ、と言って、カルラはその場を後にした。
そして、カルラが帰るのならば、当然彼の監視役をしているモルティラニアもついていかねばならない。彼女も嫌々ながらも、その場を去っていった。
さて、残されたのはセリス1人になったが、大和達の様子を覗いてみると、どうやら彼らもメリツに戻るみたいである。

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