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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜
官能リレー小説 - ファンタジー系

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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜 119

「まぁ、無理して聞きたくもないけどな……」
呆れた表情のカルラがそう呟いたその時だった。
「ねぇ、誰か近づいてくるわよ」
セリスが指を大和達から少し離れた方に向けた。カルラとモルティラニアがそちらに目を向ける。
馬に乗った人間が、大和達に近づいていた。


「へぇー、そうなんだ」
「そうなのよ。姉様ったら私と大和君が仲良くしてるのを見ると、途端に不機嫌になるのよ。まったく子供なんだから……」
ラティアが怒ったように顔を膨らませる。
「でも意外だな。レシアナさんは大人っぽくておしとやかな性格だと思ってたのに、結構子供っぽい一面もあるんだね」
「そうね。姉様は表に出てるときは物静かでおしとやかな真面目な姫を演じてるみたいだけど、私みたいに親しい人間の前では途端にずぼらな性格になるのよ」
「僕の前ではそんなこと無かったけどなぁ」
「大丈夫よ。そろそろ大和君の前でも本性を現すから。楽しみにしててね」
「うーん……あまり見たくないかなぁ」
大和が笑いながらそう言ったその時、
「失礼、少しよろしいかな?」
と、野太い声がした。
大和とラティアが驚いて顔を見上げる。そこには栗色の馬にまたがった巨漢の男が2人を見下ろしていた。
大和がとっさに身構える。しかし、魔法剣ガルドを持ってきていないことに気づき、仕方なくラティアを守るように素手で男の前に立ちはだかった。
それを見た男は、
「ああ、すまん。驚かせるつもりは無かったのだが」
そう言いながら、男は馬を降りた。
地上に降り立つ男の姿もまたでかい。服装は普通の旅人なのだが、腕の太さといい胸板の厚さといい眼光の鋭さといい、とても普通の旅人とは思えない。
「あの……何かご用ですか?」
大和が尋ねる。すると、
「実は道を聞きたいのだが、メリツ修道院へはこの道を真っ直ぐでよかったかな?」
そう言って、大和達をしげしげと見る。しかし、その視線は明らかに大和の後ろに隠れるラティアに向いていた。
それに気づいた大和は、
「ええ、そうです」
とだけ答えた。この巨漢の男とはあまり関わりたく無かったのである。
「そうか。………それにしても、仮にも一国の王女が野外で逢い引きとは誉められたものではありませんな。もう少し世間の目とやらを考えないといけませんぞ」

この言葉に大和とラティアは一瞬ドキリとした。男はその様子をみて口元に笑みを浮かべる。
(この人は、ラティアのことを知っている!?)
大和の視線が一層鋭くなる。この男の正体は不明だが、もし相手が襲い掛かってくるのなら、武器を持っていない状態の大和では勝負ははっきりしている。大和の頬を一筋の汗が流れ落ちた。
しかし、男はそんな大和の殺気を無視するかのように、
「では、行くとするかな」
そう言って、再び馬にまたがってしまった。

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