PiPi's World 投稿小説

気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜
官能リレー小説 - ファンタジー系

の最初へ
 114
 116
の最後へ

気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜 116

「とにかく、もう俺はお前達とは関わらねぇ。ルカジマを出ていくとき、ソフィー婆さんとそう約束したんだ」
そう言い残しドアを開こうとしたカルラに、アーカートは言った。
「カルラ!!」
アーカートは突然床に正座して、そして頭を下げてこう言った。
「頼む。………私に力を貸してくれ」
カルラは何も言わずに床に土下座しているアーカートを見つめているだけだった。
どのくらい時間が経っただろうか。外の子供達の声もいつの間にか聞こえなくなっていた。
「………ふん。てめえの土下座なんざ別に見たかねーんだよ。似合わねぇことしやがって」
ドアを開き外に出ようとするカルラ。だが、彼は最後に1つ言い残した。
「………リッチな部屋1つ用意しとけ」
アーカートが顔を上げた瞬間、バタンと音をたてて扉が閉まった。



「いい天気だね……」
橘 大和は雲1つない快晴の空を見上げながら言った。すると、
「そうね。こんな日は外を散歩するのが一番よね」
彼の左隣を付き従うように歩いているラティアが答えた。
今、2人が歩いているのは、メリツ修道院から少し離れた場所にある街道である。両脇には草木が生え、虫の音がうるさいくらいに聞こえてくる。取り立てて変わった風景ではなかったが、長い間外出禁止だった大和にとっては、心が癒されるような効果があった。
「大和君。胸の怪我だけど本当に大丈夫?」
不意にラティアが心配そうな表情を浮かべながら聞いてきた。
「心配しなくても大丈夫だよ。それより……」
大和は今来た道を振り返り、メリツ修道院の方角を見ながら言った。
「黙って出てきたりして心配してないかな?」
大和が胸に重傷を負ってから、すでに1ヶ月が経過していた。
怪我そのものは医師の懸命な治療もあってか比較的早い段階で回復していたのだが、外出することは許されず、大和は部屋の中で悶々と毎日を過ごしていた。
そして、それを不憫に思ったのが、これまた毎日見舞いに来てくれていたラティア姫であった。
彼女は看護師が目を離したすきに、大和を強引に外に連れ出したのである。
ラティア曰く、
「もう元気に歩けるんだから、いつまでも部屋に閉じ籠ってばかりいちゃ駄目よ。そんなの不健全、かえって病気になっちゃうわよ」
と、彼女は彼女なりに大和の健康を心配したために、このような行動に移ったのであった。
しかし、時間が経つにつれラティアはだんだん不安になってきていた。
当然だ。もしここで大和に何かあったら一生取り返しのつかない事態になるかもしれないのだ。

SNSでこの小説を紹介

ファンタジー系の他のリレー小説

こちらから小説を探す