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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜
官能リレー小説 - ファンタジー系

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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜 115

彼らはヴェイン軍が到来するとみずから出向いて降伏を申し入れたのである。
この降伏をヴェインは人質を出すことを条件に受諾。かくしてモンブールの反乱は平定された。反乱発生から僅か1ヶ月後の事であった。



「この反乱軍に対する迅速な鎮圧をお前はどう思う?」
カルラがアーカートに尋ねた。
「寡兵で大軍を破った類いまれな才能を秘めた男と見るか、それとも女子供問わず皆殺しにした冷酷な男と見るか、人々の判断は別れるだろう。だが、私はそれらとは違う事を感じた」
「別の事?」
「危険な任務にあえて立ち向かう決断力。そして自分に歯向かう者に対する徹底的な処罰と自分に従う者に対する寛大な処置。それらを総合してヴェインという男を評価するのなら、彼は非常に計算高い男なのだと私は思う」
「計算高い男か。あながち間違っちゃいない。俺だったらズル賢い男と評価するけどな」
カルラが立ち上がり窓に近づいて外を眺め始めた。アーカートもカルラの隣に並んで立ち、外に視線を移す。
彼らが見つめる先には、3人の小さい子供達が追いかけっこをしていた。
男の子が2人と女の子が1人、みんな笑顔を浮かべている。
「俺達も、昔はあんな感じだったな」
カルラが視線を外に向けたまま呟いた。
「そうだな。いつも3人でルカジマの町中を駆け回っていたな。私とお前と、そして………」
「ああ、マリナもな………」
カルラがその名前を口にすると、アーカートは表情を曇らせた。
「……カルラ。先程の続きだが」
「俺が必要な理由の事か?それともヴェインの事か?」
「理由の方だ。君があの事件でルカジマを去ってから各地を回っていた事は私も知っている」
「俺には身寄りがいないからな。ルカジマを追放されてから色んなところを見て回ってたぜ」
「君がここから近いペスタに滞在していた事は幸運だった。幸運といっても、君を探すのに3ヶ月もかかってしまったがな」
「そりゃご苦労だったな」
「率直に言おう。私は各地を回って得た君のその知識が欲しいのだ」
カルラがアーカートの方を向いた。2人の視線が絡み合う。
「アーカート、俺はルカジマを追放された身だぜ。そのルカジマ奪還に協力しろって言うのか?」
「勝手な要求だということは私も理解している。しかし、今の私にはどうしても君が必要なのだよ」
「他の幹部連中は反対するだろうな」
「私が説得する。君の登用に全員を納得させるだけの自信はあるつもりだ」
「俺1人のために幹部全員を敵に回すつもりか?」
「敵ではない。意見が違うだけだ」
「似たようなものだ」
それだけ言うと、カルラはアーカートに背を向け入り口へと歩き始めた。

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