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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜
官能リレー小説 - ファンタジー系

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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜 112

「いいか。よく聞けよ。今ルカジマを占領しているのは誰だ?デュランが率いるアルフレド軍か?違うだろう」
「……魔王軍だ」
「じゃあその魔王軍が動員できる兵の数は?」
「……およそ50万だ」
「今お前が抱えている兵の数は?」
「……約2000だ」
「分かったか。魔王軍は四天王やサンクキングダム等の外敵を抱えているといっても、現時点では最強なんだ。それに立ち向かうお前は巨像に抗う蟻みたいなものなんだぜ」
少し言い過ぎかもしれないが、こればかりは仕方がなかった。
何と言っても相手は魔王軍である。下手に戦えば、アーカートの命どころか彼と一緒にメリツ修道院に逃亡してきたルカジマの民達の命まで危ないのである。
「お前も人の上に立つ人間なら、無謀な事を仕掛けるのはやめておけ。大体何の策も無いのにどうやって……」
「……伝説の王」
アーカートがポツリと呟いた言葉にカルラが反応した。
「君に当てた手紙にも書いておいたはずだ。伝説の王の痣を持つ者が現れたと……」
「世界を救うとかいう伝説の事か。確かに書いてはいたが」
「その痣を持つ者が現れたのだ。伝説は本当だったのだよ」
「生真面目の現実主義だったお前が、いよいよあてにならない伝説に頼るようになったのか。どうかしてるぜ」
カルラがわざと大きな溜め息をついた。
「話を茶化すな。……それに、既に君は痣を持つ者と会っているぞ」
「何だと?………まさか、あのチビスケが?」
「そうだ。橘 大和。彼が伝説の王だ」
「アイツがねぇ。………俺は変わった名前のチビ小僧ぐらいにしか思ってなかったけどな」
「カルラ。既にアルフレド国は崩壊。国王だったカイル公も行方不明のままだ。主な将は皆戦死か行方不明。そして魔王軍が占領するアルフレド。その民や兵は苦しんでいる」
「何が言いたい?」
「……苦しんでいる時こそ、人は伝説に頼るものではないのか?」
「…………おい、お前まさか!」
「そうだ。私は伝説の王の力を使い旧アルフレドの志ある同志を集める。そしてその兵力で魔王軍に対抗するつもりだ」
アーカートの瞳がキラリと光る。
「既に何人かの旧アルフレドの幹部達と接触することに成功しているが、互いに連携を取るところまでいっていないのが現状だ。彼らと全面的に協力しあうためにはもう一押し必要なのだ」
「その最後の一押しが伝説の王か」
「そうだ」
「……なるほどな。つまり表に立つのはチビスケ。それを裏で都合よく動かすのがお前の役目ってわけか」
カルラは目の前のテーブルにドンと両足を乗せ、ぞんざいな態度で言った。
「テメェ、ふざけんのもいい加減にしろや」
「……何とでも言え。私は私のやり方でルカジマを取り戻すだけだ」

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