PiPi's World 投稿小説

気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜
官能リレー小説 - ファンタジー系

の最初へ
 109
 111
の最後へ

気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜 111

呆れた表情のカルラだったが、急に深刻な表情になってこう言った。
「チビスケのことはすまなかったな。後少しで手遅れになるところだった」
「大和君の事か。気にするな。君だったから彼の傷もあの程度で済んだんだ。四天王と互角に戦える者など、君とイリス様ぐらいしか私は知らないからな」
「イリス?年齢800歳を越えるあの伝説の魔女のことか?そんなババアと俺を一緒にすんじゃねぇよ」
「………フッ、ババアか。あの人に一度会えば、君はその言葉を撤回することになるぞ」
「………どういう意味だ?」
「一度見ればわかるよ」
「………まぁいい。とりあえず仕事は終わりだ。俺は帰らせてもらうぜ」
そう言って紅茶を飲み干して立ち上がったカルラの手をアーカートが掴んだ。
「何だよ?」
「……もう1つ。……君にもう1つ依頼したい事がある」
「あ?」
「報酬は倍払う。だから引き受けると言ってくれ」
アーカートの目は真剣そのものだ。
「……まず依頼内容を言え。話はそれからだ」
カルラが再びソファーに座る。
「依頼内容は………」
アーカートは言葉に詰まってしまった。言おうとしても声にならない。
「どうした?早く言えよ」
カルラがせかす。アーカートは一度呼吸を整え、気持ちを落ち着かせて言った。
「私たちと一緒に魔王軍と戦い、ルカジマを取り戻すのに協力してほしい」
2人の間に沈黙の空気が流れた。互いが互いの目を見つめたまま離れようとしない。

数分間の静寂の後、不意にカルラはこう言った。
「……お断りだ」



アーカートは思わずカルラを睨み付けてしまった。それに引き換え、カルラは冷ややかな視線をアーカートにぶつけている。
確かに彼が依頼を断る事も頭のなかで想定してはいた。しかしそれ以上に、心のなかでは、自分が頼めばカルラは自分と共に戦ってくれると信じていたのであった。
アーカートが思わず睨んでしまったのは、そんな想いを裏切られた気持ちになったからである。
そんなアーカートにカルラは、
「何で俺がそんなリスクの高い仕事をやらなきゃいけないんだ?ルカジマを取り戻したかったらテメェらで取り返したらいいじゃねぇか。俺には関係ないぜ」
「カルラ!!」
アーカートが、彼にしては珍しく声を荒げた。
「………なぁ、アーカート。お前の気持ちも分からなくはないぜ。俺もソフィー婆さんには世話になったし、そんなお前のお袋さんが愛したルカジマをお前が取り戻したいのも分かる。だがな、今回ばかりは相手が悪すぎる」
カルラは冷静にアーカートを落ち着かせようとした。

SNSでこの小説を紹介

ファンタジー系の他のリレー小説

こちらから小説を探す