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月光に照らされし幻影
官能リレー小説 - ファンタジー系

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月光に照らされし幻影 10

ちょうど昼時なせいか店内は賑わっていた。
「ん?そうじゃったのか?…まぁロウに限らず、教会の連中は妖力のある宝石ならば、強引に取引きしようとする奴が多いからのぅ」
そういうと、トムじいはコップの水をゴクリと飲み干す。
トムの向かいに座ったアリアは片手で頬杖をつきつつ、テーブルの上に例の宝石を置いて眺めながら溜め息をつき小さく呟く。
「そうなんだよね…この宝石だってロウから妖力が有るから引き取らせてくれって言われたけど…元々は自然の宝石だと聞いてアイツに貰ったのに…妖力が蓄えられてるなんて…」
「…貰った?誰にじゃ?」
アリアの呟きにトムじいは素朴な質問を投げ掛ける。
「え゛っ?!私、そんな事言ったっけ?」
無意識に呟いてしまった自分の言葉にアリアは思わず慌ててしまう。
「はっきりと言ったじゃろうが…まだワシは耳は遠くなっとらんぞ!
もしかして、その宝石…どこぞに男でも出来て、その男からプレゼントでもされたか?」
アリアをからかう様に、トムじいはニヤニヤと笑う。
「ちっ、違うっ!私に男なんて…っいや、あるイミ当たってるんだが」
顔を真っ赤にさせてアリアはしどろもどろになりつつも反論する。
「なんじゃ…図星じゃったか?」
からかいポイントを見つけたと言わんばかりに、トムじいは言葉を続ける。
「しかし、アリアに男が出来るとは…色気が無いガキンチョだと思っておったのに…お前さんに惚れるとはどんな物好きか相手の顔を見て見たいのう」
「なっ?!なんでそんな話に?!勝手な想像しないでくれっ!」
「そんなムキになって反論するから余計に怪しまれるんじゃ
誤解されたくなかったら、正直に話すんじゃなぁ」
意地悪そうにトムじいはニヤリと笑う。
どうやらアリアはトムじいの誘導尋問に引っ掛かったらしい…。
「はぁ…トムじいさんにはかなわないわね…。実は……」

アリアは他の人物に聞かれない様に、事の真相を小声でトムじいに伝えた。

「成程のぅ、やっぱりお前さんに男が出来るなんてないと思っとったが…」
「そこまで言わなくても良いじゃないのよ!!」
トムじいはうっすらと笑いを浮かべながら、「いゃぁ、すまんなぁ。あまりに面白いもんじゃからな。…じゃが、お前さんでも倒せんかった奴がこんな物をよこすとはのぅ…」
「…こんな話をしたばかりだけど、…やっぱ買って貰えない…かな?」

「う〜ん…正直ちと恐いがのぉ…じゃがそのエルドルとか言う男のいうことも気になるしの、とりあえず調べてみたいから引き取らせてもらおうかのぉ」
アムは笑いながら出てきた料理を食べる
「ありがとう!!トムじぃ!!」
「ん、わしもな、ちと気になる噂もきいとるからな、気にすいるな。で、金額じゃが…」
そう言って金額を提示する
「えぇ〜!?トムじぃ足元見すぎだよ!!」
「何を言うんじゃ、引き取ってもらえるだけよいとしないか」

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