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月光に照らされし幻影
官能リレー小説 - ファンタジー系

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月光に照らされし幻影 9

「まぁ、それはそうですが・・・しかしあの人は粗暴ですし、あまり良い評判も聞きませんよ?その点私の教会ならば親切に鑑定いたしますよ?妖魔から人々を守るために・・・・おや?アリアさんどうしたのですか?」
親切に、しかし退路を断つようにロウは迫ってくる
(ロウに見せたら何言われるかわかんないから、焦ってるんだってばぁ!!)
アリアはなぜ、ロウがトムじいの名前を聞いて嫌そうな顔をしたのをようやく理解した。

実は、神父のロウと工房の責任者であるトムじいは前々から仲が悪いと町中で評判なのだ。
只でさえ、教会と工房の関係者達は商売敵ということもあり全般的に仲が悪い。
特に温和なロウと頑固なトムじい―
この二人は職業の事を抜きにしても性格的に合わないらしい。

ソレはともかく、ロウが仕事熱心なのは誉めるべき所だが、今日はいい加減しつこ過ぎる。
さて、どうやってロウを撒こうかとアリアが考えていた時に二人の前を通り掛ったのは―
「儂の名前が出たようじゃが?神父が井戸端会議で悪口か?」
聖人の正体見たりといった感じでトムじぃことトム=ミーイケが白髭を揺らして近づいてくる。
噂をすれば影とは言うが、都合良すぎるだろうとアリアが疑問を投げかける
「え!?トムじぃなんでこんな所に居るの?ここ、教会の近くだよ」
教会の近くにトムじぃが居てはいけないのかという疑問はさて置き、トムは平然と答える。
「儂がこんな時間に町を歩く理由は飯屋に行くしか無い。むしろ疑問が有るのはこちらじゃ…宝石・鉱石の事となると無視はできないからのぅ」

それもそうかと納得するアリア。
「その宝石じゃ、何処で手に入れた?」
ロウの前で聞いてくるトム
「えっ!?あ、あぁ!うん!そうだ、トムじぃ飯屋に行くんだろ?私も今日朝飯抜きだから一緒に行こう!!じゃ、ロウさん!!」
トムの背中を押してロウの前から逃げるアリア
「お、おい!?押すなぁ!」
トムじぃの声が街にこだましていたのだった
一人取り残されるロウ
「あの人も気にするあの宝石・・・やはり普通のものではないのか?コレは上に報告すべきなのか・・・・まぁ、いいですか」
一人呟きながら教会へと戻るロウ
ところ変わって

飯処 『魚釣亭』


「いやぁトムじぃ、助かったよ!ロウに絡まれててさぁ」

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