PiPi's World 投稿小説

月光に照らされし幻影
官能リレー小説 - ファンタジー系

の最初へ
 5
 7
の最後へ

月光に照らされし幻影 7

さて…どう答えようかと考えた末に紡ぎ出した言葉は…
「そう…今まで出会った事のないような妖魔だった…この私が恐怖すら感じてしまったし…
そんな妖魔と戦った末に勝ち取ったのがあの宝石と言う訳だ…」
そう言った後で、アリアは頭の中で自分の言った言葉を反芻してみる。
多少脚色はしているが、嘘は言っていないはず…
「・・・やっぱりアリアは強いね、僕もアリアみたいになりたいな・・」
何とか納得してくれたようだが、どうも心にしこりが残るアリア
(う、ううっ〜アム君信じてくれたけど・・・仕方ないよね?)

「………明日神父様に見せてくるね。」
アム君の一言が、アリアの心にグサリと刺さった。
通常、妖魔の宝石を売る場所は二つある。
教会か、工房か。
魔力の高い宝石なら教会の方が高く売れるので、アム君の言う通り教会の神父様に見せるのが高収入だ。
………これが本当に上級妖魔の宝石なら。
(神父様に見せたら、一発でバレる!?)
「あ〜、アム君。 それは工房の方に売って来て。」
「………? なんで?」
「ん、ちょっと工房の職人に貸しがあってな。 良い宝石が手に入ったら売る約束なんだ。」
もちろん嘘だが。
「・・・・・分かった、でも誰に売るのかわかんないからアリアお願い、もう眠いから僕寝るや」
そう言って自分の部屋に行くアム
「なんとかなったわね、それにしてもこれ本当にどうしよう?」
手の中で宝石をもてあそびながら思案にくれるアリア。
「まぁ、とりあえず明日、工房のおやじさんのところで見てもらうしかないかな?ふぁぁ・・・」
今日の疲れが溜まっていたのか、つい欠伸をしてしまうアリア。
「私も寝るとするか〜」
そう言いながらアリアは椅子から立ち上がり、自分の寝室へと向かう。


寝室に着くなり、アリアは疲れた顔でベットに倒れ込んだ。
「う゛〜今日は色んな事が有りすぎた…」
と呟き、マクラに顔をうずめる。
「エルドルの事、アム君に正直に話すべきだったのかな…」
アリアは、自分の見栄の為にとっさにアム君に嘘をついた事に未だに罪悪感があった。
「でも、エルドルの事を今は周りに伏せていた方が良い気もするし…案外、これで良かったのかも知れない」
後ろめたさを無理矢理、正当化させて自分に納得させる。

SNSでこの小説を紹介

ファンタジー系の他のリレー小説

こちらから小説を探す