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月光に照らされし幻影
官能リレー小説 - ファンタジー系

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月光に照らされし幻影 4

「分かってくれましたか、良かったです。じゃあ今晩はこれで、今度はゆっくりお話したいですね」

宝石を渡し闇へと消えていくエルドル。彼の姿が無くなったとたん、アリアはあまりの恐怖と羞恥にペタンと座り込んでしまった
座り込んだまま、エルドルから貰った宝石を一つ取り、月光に照らして見る。
「綺麗な宝石だ…」
思わず、感嘆の声を上げる。
元々、この森に住む妖魔には宝石が核として体を形成されている。
その核となる宝石が、高値で取引きされる為に国から妖魔狩りが推奨されているのだ。
エルドルから貰った宝石は自然のモノと言っていたが、妖魔の核と同等の輝きを放っている。
「しかし、あの高位妖魔、今度ゆっくり話がしたいと言っていたが…私はもう、会いたくないな」
独り言を呟いて、立ち上がり、アリアは森を後にした。
月明かりの街に戻ってきた。
宝石などが盛んな職人街で、いつも頑固な職人達の怒鳴り声やら鉄を叩く音で煩いのだが、それは昼間の話。
夜は皆早く寝てしまい、シンと静まりかえっていた。
石畳の道を歩いて街の中心部へと向かう。
中心部に近い一軒の大きめな家。 まだ明かりのついているその家の前でアリアは足を止めて、中に入っていった。

「……おかえり。」
幼い声がアリアを迎えた。
「……ただいま、アム君。」
自分を出迎えた少年に返事をする。 だがさっきまでの出来事もあり、声が少し暗い。
「……アリア、負けたの?」
少年の驚くほど細い目がアリアを見つめる。
「負けてない! ほら、今夜の収穫。」
ポイッとエルドルに貰った宝石を投げると、アム君がキャッチした。
「……明日の朝、換金してくるね。」
「よろしく〜、なんだか疲れたわ。」
身に付けている重い防具などを外して家の中に入っていく。

薄着一枚になったアリアが手を伸ばしてストレッチをしているとアム君がまたボソリと呟いた。
「お風呂………沸いてるよ………」
「あっ、ありがとうアム君。
じゃあ私は入ってくるよ。」
うん、というとアム君はアリアが脱いだ防具を拾って片付け始めた。

脱衣所に入り、薄着も全て脱ぎ、浴室に入る。
アムが気を使ったのか、湯気がモクモクで暖かかった。

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