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月光に照らされし幻影
官能リレー小説 - ファンタジー系

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月光に照らされし幻影 3

すっと伸びてきたエルドルの手がアリアの頬を撫でた。
背筋までゾクリとする冷たい感触と言動にアリアはとっさに距離を取ろうとした。
だが未だに体は動かない。
「や、やめて!」
何度も妖魔との戦いで命の危険を感じたことはあったが、貞操の危険は初めて感じていた。
アリアが叫んだ後に数秒すると体が自由になった。
急に拘束を解かれたアリアはその場に尻餅をついてしまう。
「ふふ、脅かし過ぎましたか?」
エルドルはまだにこやかに笑っていた。
「さて返答を頂きましょう。 まだ向かってきますか? それともやめますか?」
「お前…っ今までのが脅かしだとっ?!私は本気で…っ何でも無い」

怖かったと、本音を言いかけて口をつむぐ。弱味をみせたら敵の思うツボだ。
アリアは、座り込んだままでエルドルを睨みつける。

「今、お前に歯向かうつもりは無い―
だが、私も妖魔ハンターで生計を立ててるんでな。お前の仲間を殺さないと私が生きて行けない…悪く思うな」

そう言いながら、立ち上がりエルドルの問掛けに答える。
「帝国の犬でいるのは止めなさいと先刻言ったばかりなんですがね?」
確かに、その言葉に耳を傾けず、脅かされたばかりではあるが、
こちらも生活があるため容易に答えられない。
「生きる為には是非も無しですか…」
エルドルはやれやれといった様に首を振ってため息をつく。
「どうしましょうかねぇ?どうせあなたも帝国と同じで私達の宝石がお目当てなのでしょう?私の体にあるもの・・・・は流石に無理ですがこの森の奥にある鉱脈からとった自然のものがありますから、それで引いていただけませんかね?魔力はありますから」
エルドルは一見穏やかな口調で話してはいるが目は笑ってはいない。
この森に住んでいるエルドルに言わせればアリアの方が不法侵入者である。
明らかに自分の方が分が悪い―今日はおとなしく退くしかないとアリアは判断して溜め息をつきつつエルドルの問掛けに答えた。
「…分かった
その取引きを受けよう」

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