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月光に照らされし幻影
官能リレー小説 - ファンタジー系

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月光に照らされし幻影 22

「少年って…イザヨイ本当に大丈夫?居たら流石にビックリだけど…」
ガサガサガサガサガサガサガサガサ!!!
アリアがそれはないだろうと言おうとしたのに割り込む形で、草村の中を何かが移動してくる。
「まさか、本当に?」
「拙者嘘は好かんでごさる」
しかし、その音を立てていたのが少年…いや、人間ですらない事に三人はすぐに気付いた。
最初に気付いたのはガイルだった。
「妖魔だ!来るぞ!」

草村から子供の胴幅はあろうかという触腕が飛び出し、アリア達が居た所へと振り下ろされる。
ブォーン!
しかし、アリア達も妖魔との戦いで生計を立てている者達だ。
易々と殴られたりはしない。
故に、妖魔の腕(?)はアリア達を叩くことはなく虚しく大地のみを叩く。
「お喋りは中断だ。今日一番の獲物だぜ」

「承知」
妖魔が姿を隠す草村をイザヨイの居合いが横凪に断つ。
半分程になった草村には、巨大で半透明な体がひしめいていた。
その妖魔も姿を隠すことは無理だと判断したのか鎌首を持ち上げる。
アリア達よりも遥かに大きいソレは、胴の途中から左右にも尾のような腕が生えた異形の大蛇だった。
「気持ち悪い。蛇なら蛇らしく一本でいなさいよ」
アリアは素でそう思っい、胴の途中から生えている腕を切り取ってやろうとした。

蛇妖魔は迫り来るアリアをその腕(?)でなぎ倒そうとする。
「甘い」
アリアは腕(?)を紙一重で回避して、腕の根本を自分の間合いに入るまで踏み込もうとする。
アリアがもう少しと思うと
『ギシヤャャー』
妖魔が雄叫びを上げ、駒の様にぐるぐるとかなりのスピードで回り始める。
垂直に伸びた腕(?)が周りの木々を薙ぎ倒しながらも駒になった蛇妖魔は三人に体当たりを仕掛けて来た。
「うわっと」
一番近くにいたアリアは近くの窪みに飛び込んだ。
「児戯でござる」
駒の様な真似をする妖魔とイザヨイがすれ違う。カキィンン
金属が金属を断つ音が響き。
妖魔の腕だけが月の映る空に飛んで、霧散する。
バランスを失った妖魔は倒れて地面にぶつかって回るのを止めた。
妖魔は勝てないと思ったのか、アリア達と尾の先を向けて森の奥へと向いた。
「悪いけど逃がさねえよ」
ガイルが呟くように宣言すると、大蛇の体が宙に浮き近くにあった巨木に張り付けにされた。
もちろん、ガイルは魔法使いではない。

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