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月光に照らされし幻影
官能リレー小説 - ファンタジー系

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月光に照らされし幻影 19

反り返った刃を持つイザヨイの出身国特有のトーホー剣と呼ばれている刃渡り60cm程の物と50cm程の二本が腰につけられた鞘に納められていた。
「いつも思うんだけど…防具って無いの?今日の妖魔はきっと強いよ?」
アリアは自分の胸に覆い被さっている、硬い革で出来ているアーマを軽くノックしながら、未だに馴れない東方の文化について聞く。
「いや、防具類が無いというわけではござらんが森の中で動くには…」
「どうしたの?ガイルが来た?」
アリアも鈍感というわけでは無いが気配を感知する能力はイザヨイの方が範囲も精度も数段上でアリアは誰かが近づいていることにすら分からなかった。
「この感じは…まさか…奴!?」
自らの予想結果に驚いたイザヨイが一言言い残して近くの茂みへと駆ける。
「御免、アリア殿!拙者が此処にいる事はこれから来る者には秘密に」
「ちょと、イザヨイ?」

だが呼び掛けても反応が無いまま、三分程経った後でイザヨイは茂みから出て来た。
「………勘違いだったようでござる。」
いきなりそう言い、すぐに何事も無かったかのように振る舞いだしたイザヨイだが、アリアの目からも明らかに怪しかった。
自分に背を向けて何やら考え込んでいるイザヨイの背後にそっと忍び寄る。

―――ムギュ!
「ひゃぁ!!」
背後からイザヨイの胸を鷲掴みにした。
「あ、アリア殿!?」
「教えて欲〜し〜い〜」
柔らかい感触を確かめながら問うがそれでもイザヨイは首を横に振ったため、諦めて手を離した。
「強情だな、イザヨイ。」
だが、あくまでも口調は穏やかに。 冗談で言っているつもりなのだ。
珍しく顔を赤くしながら胸元を正すイザヨイをちょっとニヤつきながら見ていると、町の方からガイルが歩いてきた。
「よっ、待ったぁ?」
「少し。 さてと………行こうか。」
腰の剣に手をかけて、他の二人の顔をチラリと覗く。 もう準備は出来ているようだ。
「いざ、新種の妖魔を目指して………」
私とガイルとイザヨイは森の中へ入っていった。
森に入ってすぐに、アリア達は三人で横に並んでも余裕で歩ける程の獣道を見つけ出した。
これほど幅の広い獣道を作り上げる動物は居ないだろう。
つまり、そうとう大型の妖魔がこの森には存在するのだろう。
しかし、巨大な妖魔が存在したとしてもそんな事でビビる三人ではない。
多少、ガイルが冗談におどけてみせたがイザヨイは勿論、アリアすらも戦場に入ったからには悪ノリはしなかった。

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