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月光に照らされし幻影
官能リレー小説 - ファンタジー系

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月光に照らされし幻影 18

「了解だ。じゃあ、俺は今から少し準備をしてくるからこれで帰るわ。また、今晩」
そう言ってガイルが、テーブルを叩い立ち上がる。
「また、ハンティングの時に」
「今宵よろしくでござる」
「はい。さようなら。また、明日」
今晩再び会う二人のハンターは軽く声をかけてガイルを見送った。
ハンターではないファルは森に行かないので、この後皿洗いをさせる予定だった事を忘れて「さようなら」と言ってしまった。
そして、ファルがその事に気付いたのはガイルが見えなくなってからのことだった。

「さてと、拙者はこれからどうするかな…得物は今から準備する程の物でもなし」
イザヨイが顎に手を寄せて時間の潰す方法を思索する
「そうね。まだ、三時半だから日が沈むまではまだ…」
壁の一角に立てかけられた大きな古時計を見てアリアが言う。
何かが自分の中で引っ掛かるのをアリアは感じた。
「三時半…?し、しまったー!?」
そう、アリアはファルに捕まるまで副業へ行く気でいたのだ。

「どうしよう…すっかり忘れてたぁ〜っ」
アリアはカウンターにつっぷして情けない声をあげる。
「い、いきなり大声をあげてどうしたんですか?」
ファルが不思議そうにアリアの顔を覗きこむと顔だけをあげてアリアはポツリと呟く。
「今日、昼間の仕事の予定があったんだ…
子供達の剣術のコーチを頼まれてたんだけど…気付いたら時間過ぎてるしっ」
そう言うとまた顔を伏せ、つっぷしたまま動かない。
「………」
「…し……いよな」
「んっ?どうしたアリア殿?」
なにやらアリアが呟いた言葉がうまく聞き取れずイザヨイが聞き返す。
「…仕方ないよなっ!
とっくに時間は過ぎてる訳だしっ」
自分に言い聞かせるようにアリアは呟く。
「昨日の狩りで疲れてたと言う事で今日は休みにしとこうっ!」
「なんか…アリアさん、自分に言い聞かせて無理矢理納得させようとしてません?」
「うむ…っ開き直りと言うやつでござるな」
ファルがイザヨイにこっそりと耳打ちする。
「聞こえてるよっ二人供!今大事なのは、今夜の南の森の探索!
過ぎた事より、早く帰って今夜に備える事の方が大切!という事でじゃ、またなっ」
勢い良く立ち上がるとアリアは店出た。
そして夜―
アリアが待ち合わせ場所に行くと既に人の気配があった。
月光の届かない森の影から何者かが出てくる。
「アリア殿でござるか…時間通りでござるな」
ほとんど満月と変わらぬ光量の月の光が影から出てきた、戦闘服姿のイザヨイを照らし出す。
未だに影に隠れているようにすら見える漆黒の半着と袴が、イザヨイの白い胸元を目立たせる。
町中に居るときの格好をそのまま黒くしたような服装ではあったが、普段町中では持ち歩いていない装備が二つ。

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