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月光に照らされし幻影
官能リレー小説 - ファンタジー系

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月光に照らされし幻影 16

「うん、大丈夫だよ
イザヨイ
こういう情報は皆、知ってた方が良いし」
アリアはニッコリとイザヨイに笑いかける。
ファルはアリアとイザヨイ、二人の顔をみた後で真面目な顔で話を始める。
「アリアさんにはさっき軽く話しましたけど昨日、出没した妖魔の話なんですが…」
話の内容は、本来ならば妖魔から血は出ず、致命傷を負った妖魔は核部分を残し体は消えてしまうのが一般的
なのに、昨日出没した妖魔からは血が出て妖魔の死体が核となる宝石を砕けた状態で死体が消える事なくいた事
その妖魔の死体を教会の偉い人が引き取った事…
イザヨイも初めて聞く妖魔の話に、うつ向いて眉間に皺を寄せて考え事をしている。
「それは確かに…聞いた事の無い妖魔でござるな…」
神妙な面持ちでイザヨイはポツリと呟く。
確かに聞けば聞くほど不思議な話である。
そんな真面目な雰囲気をぶち壊した男が一人…
「新種の妖魔〜? 
俺にも詳しく聞かせて欲しいなぁ〜」
声の主にアリア達は視線を向ける。
そこにはモップを持ったままのガイルが立っていた。
「ガイルさん、店の中の掃除は終わったんですか?」
ちょっとムッとした様な顔でファルはガイルに問掛ける。
「おう!終わった終わった!この早さも完璧さも君たち美女諸君とお話しするためー」
手をバッと広げて綺麗になったテーブル群などをアピールする。
しかし、ファルはガイルの方など見ずに窓の縁を人差し指で擦りあげる。
ファルはガイルの方へ振り向くなり額に青筋をたてて一言
「やり直しです!」
ガイルすら一瞬固まってしまう程の迫力で言い放つ。
しかし、彼も引き下がらない。
「そんな殺生な…情報は正確さと新鮮さが命だよ。昨日の晩はあんなに素直だっ…ぐはぁ」
言葉を繋げようとするガイルの顔にファルの鉄拳がめり込む。
酒場の隅まで盛大に吹っ飛んだガイルを見たのち、アリアはボソリと呟いた。
「ファル………昨晩は素直だった?」

ギラリ―――

突如、凄まじい眼光がアリアを突き刺す。 酒場の娘とは思えないほどの威圧感をファルは持っていた。
「昨晩、ちょっと対価無しに教えてしまっただけです。 それとも、他に疑問点でも?」
ファルはいつもの笑顔だ、だがその後ろにはありありと不動明王の姿が見える。
殺される、口ごたえしたら、殺される。
それをアリアに確信させるには十分だった。
「ふぅ、話がずれましたね。 どこまで話ましたっけ?」
「あ…あぁ…そうでござるな…どこまでだったか…」
ファルの様子にさすがのイザヨイも圧倒されたようで口ごもる。
「…っう
ファルちゃん、もちっと手加減しようよ…
これでも、まだ腹の調子悪いんだから」
ガイルがヨロヨロと立ち上がり、側にあった椅子に腰掛ける。
そして、おちゃらけた態度を一変させガイルは真面目な顔でファルに問掛けた。
「ところでファルちゃん
その新種の妖魔の件だけど…その妖魔が出没した場所ってドコなんだ?」
「場所ですか?
たしか、南の森の奥だったと聞きましたけど…それがどうかしたんですか?」

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