PiPi's World 投稿小説

月光に照らされし幻影
官能リレー小説 - ファンタジー系

の最初へ
 10
 12
の最後へ

月光に照らされし幻影 12

「…っておいおい、アムにそんなことしとるんかい!?」
流石に気づいたのか、トムが反論してくる
「ちっ、ばれましたか!ん〜でもアムクンが恥ずかしがるんは本当だよ?」
「しかたないのぉ…」
渋々とお金を出す、トム
「流石!!んじゃ、私お仕事あるからもういくねぇ!石の件よろしくね」
さりげなく代金をトムに払わせて出て行ってしまうアリア
「こらぁ!!アリアぁぁ!!…まったくあやつめ昔から変わらんわい、しかたないのぉ」
結局、アリアの仕事も聞けず、飯代まで払わされても許してしまうトムなのであった
トムじいが飯代を払えと言ってこない事は分かっていたがアリアは足早に魚釣亭を離れる。
後ろから「高っ!?」と言う声が聞こえたがアリアはに気せずに歩みを進める。
「ごめんね、トムじい。これも全部、エルドルが悪いのよ」
森の奥深くにある屋敷の中でエルドルが大きなくしゃみをする
「な、何故か悪寒が…くしゃみなんて何十年ぶりでしょうか?」
そんな事は知らずにアリアは副業の仕事場に歩みを進める。道中、昨日より少しやつれたガイルが話しかけてくる……
がやっぱり歩みは止まらない。
アリアがガイルを無視して歩いて行くと…
「あーっアリアさんだっ!」
名前を呼ぶと共に、誰かがアリアの背中に抱きついてきた。
「うひぁっ?!誰っ?」
アリアがびっくりして後ろを振り向くと抱きついてきたのは、見るからに快活そうなショートヘアの少女だった。
「な…っ?!ファル!
いきなり抱きつくなんてびっくりするでしょうっ!」
「ふふっ…アリアさん、ダメですよっ?
町中とはいえ、妖魔ハンターが簡単に背後をとられるなんてっ」
アリアにファルと呼ばれた少女は悪びれる様子も無くクスクス笑いながらアリアから離れる。
「…報酬」
ファルが唐突に笑顔のままでポツリと呟く。
「えっ?!」
一瞬、なんの事か分からずにアリアが聞き返すと、ファルは笑顔で言葉を続ける。
「妖魔ハンターの報酬は、もう貰いましたか?」
「うん貰ったケド…それがどうかした?」
いきなりの質問にアリアは小首を傾げる。
「良かったっ」
ファルはアリアの答えを聞くとこれ以上無いくらいの微笑みを浮かべた。
「じゃあ…その報酬で先月のうちの店で飲んだツケちゃんと払えますよね?
ねぇ…アリアさん?」
その言葉の意味を理解した途端、アリアの顔から血の気が引いていく。
「アム君をさ…」
アリアはトムじぃにやった事をファルにもやろうとする。
「私は、トムさんと違ってそんな手には乗りませんよー」
うぅ…やっぱりトムじぃだけか!と内心舌打ちをする。
「じゃあ、ガイルが…」
閃いたとばかりにアリアが口を開く。
「"じゃあ"ってアリアさん〜」
ガイルと言った瞬間には反応した気もするけど、もはや突っ込む気力も失せたのかファルはガックリと肩を落とす。

SNSでこの小説を紹介

ファンタジー系の他のリレー小説

こちらから小説を探す