PiPi's World 投稿小説

学校で死のう!
官能リレー小説 - ファンタジー系

の最初へ
 65
 67
の最後へ

学校で死のう! 67

開け放たれたドアの前に『ザー』と小さな音を出す鉄の箱があったからである
相手は哀徒だ、一筋縄でいくわけがない。
それに、泥棒猫…もとい邪魔者がいなくなったのは好都合である
「哀徒、そこにいるのは分かっている。林崎の命が惜しいなら出てこい」

だが、ミルキュリアが廊下に出ても、哀徒が現れる気配はなかった。左右を見たが、特に隠れられるような場所はない。ふと、一陣の風が彼女の長い髪を撫でた。
「……ほう」
ミルキュリアは薄く笑いを浮かべた。廊下の窓が、開け放たれている。ミルキュリアが会議室に来たときは、確かに閉じられていた。
「さすがはこのミルキュリアの下僕だ。面白いことを考える……」
ゆっくりと、ミルキュリアは窓に歩み寄った。
「だが、そこまでだ。私は気が長くない。早く姿を見せろ」
返答はない。だが、その代わりに、建物の外の、下の方から、地面に何か重いものが激突するような音が響いた。
「哀徒!?」
まさか落ちたのか。ミルキュリアは急いで、窓枠に駆け寄った。

一方その頃、哀徒はミルキュリアのいる会議室より、1つ上の階で息を殺していた。
窓を開けて身を乗り出し、投躑用の槍の穂先を下に構え、じっと下の様子をうかがっている。
テープレコーダーの音で、ミルキュリア達を会議室の外に誘き出す。事前に窓を開けておき、自分が窓の外にいるように見せかける。
そして、彼女達の誰かが窓から顔を出した瞬間、上から槍を落として頭を田楽刺しにするというのが、哀徒の作戦だった。
もちろん、ミルキュリア達が不用意に窓から顔を出すとは限らない。
だから、そのときのための仕掛けも考えていた。近くの部屋から小さな机を持ち出して別の窓から落とし、あたかも自分が地面に墜落したような音を聞かせたのである。そこまですれば、いくら彼女達でも何事かと顔を出すと思ったのである。
言うまでもなく、この方法では、一味のうち1人しか倒せない。
しかし哀徒は、その後哀徒の存在に気付いて上がって来る残り2人と捨て身の戦闘を行い、どちらか一方と心中できれば御の字だと考えていた。彼女達が何を企んでいるのかは知らないが、3人のうち2人欠ければ、さすがに計画は続行できまい。
――うまく行ってくれよ……
下の階の窓を見つめながら、哀徒は祈るような想いでいた。ミルキュリアでも、後の2人のどちらでもいい。何としてもここで1人、仕留めなければならなかった。
そして、ついに、下の窓から誰かが頭を出した。特徴的な金髪のポニーテール。ミルキュリアだ。

SNSでこの小説を紹介

ファンタジー系の他のリレー小説

こちらから小説を探す